研究実績の概要 |
12週齢の雄性Sprague-Dawleyラット(n=15)の右後肢にアキレス腱切腱術を行うことで筋機能不全モデルを作製し,右後肢を腱切離群とした.左後肢は対照群とした.アキレス腱切腱術直前、切離術後2,4,8週目にMRI撮像と筋力測定を行なった. MRI撮像は,動物用のMRI装置(Varian MRI system 7.04T)を用いて行った.関心領域は下腿三頭筋筋腹中央とした.b-value を100,350,500,1000に設定し,DTIパラメータとしてλ1,λ2,λ3,およびFAを測定した.筋力測定では,吸入麻酔下に経皮的電気刺激を行うことで,足関節底屈筋力を測定した.得られたDTIパラメータと筋力について,腱切離群と対照群の比を算出し,算出した比と足関節底屈筋力の相関について検討した. b-value=350においてλ1の比と足関節底屈筋力にr=0.36の負の相関を認めた(P<0.05).その他のパラメータにおいては足関節底屈力と有意な相関を認めなかった.b-value=350に設定してMR撮像を行うことで,骨格筋の筋力を非侵襲的に評価できる可能性がある.
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