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2019 年度 実施状況報告書

Riluzoleの脊髄損傷治療薬としての作用機序の電気生理学的解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K09077
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

筒井 俊二  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70423960)

研究分担者 谷口 亘  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (20453194)
山中 学  和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (30597084)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードriluzole / リルゾール / 脊髄後角 / パッチクランプ法 / 脊髄保護作用
研究実績の概要

これまで筋萎縮性側索硬化症の治療薬Riluzoleによる脊髄後角における抑制系の賦活効果について検討を行ってきた。そこで本年度は脊髄後角における興奮性シナプス伝達にRiluzoleがどのような作用を及ぼすかパッチクランプ法を用いて電気生理学的検討を行った。5~7週齢の雄性ラットを麻酔後、厚さ約650 μmの脊髄横断スライスを作製し膜電位固定化で膜電流を記録した。-50mVの膜電位固定下で脊髄膠様質細胞にグルタミン酸受容体のアゴニストであるNMDA(50μM)を30秒間灌流投与すると一過性の内向き電流が観察される。このNMDA電流の振幅を同一細胞でRiluzole(100μM)存在下と非存在下において比較した。記録した細胞でRiluzole存在下におけるNMDA電流の平均振幅は-25. 7 pAであった。一方、Riluzole非存在下におけるNMDA電流の平均振幅は-26.2 pAであった。両群間に有意な差は認められなかった。同様に-70mVの膜電位固定下でグルタミン酸受容体のアゴニストであるAMPA(10μM)を30秒間灌流投与すると一過性の内向き電流が観察される。このAMPA電流の振幅を同一細胞でRiluzole存在下と非存在下において比較した。記録した細胞でRiluzole存在下におけるAMPA電流の平均振幅は-27.6 pAであった。一方、Riluzole非存在下におけるAMPA電流の平均振幅は-26.1 pAであった。この両群間に有意な差は認められなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度はRiluzoleの脊髄膠様質細胞の抑制性シナプス伝達作用につき解析し、本年度は脊髄膠様質細胞の興奮性シナプス伝達作用の解析を行った。その結果、脊髄膠様質細胞におけるRiluzoleの作用は興奮性シナプス伝達作用よりも抑制性シナプス伝達における作用を有することで鎮痛作用を有することが示唆できた。

今後の研究の推進方策

次年度は脊髄後角細胞におけるRiluzoleの抑制性シナプス伝達における外向き電流発生メカニズムや自発性抑制性シナプス後電流の増強作用を薬理学的解析により検討する。さらにRiluzoleの脊髄レベルにおける鎮痛作用を電気生理学的検討より確認できたため、行動学的検討を行い多角的にRiluzoleの鎮痛作用を明らかにしていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究計画と実際の進捗状況に若干の差が生じ、未購入機器などがあるため。
次年度の研究計画に従い、必要な研究機器や動物・試薬等の消耗品に使用する予定。また研究成果に応じて、国内外での学会等で研究成果を発表・発信する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 脊髄後角細胞におけるRiluzoleのシナプス伝達抑制作用2019

    • 著者名/発表者名
      太地良, 西尾尚子, 谷口亘, 山中学, 曽根勝真弓, 筒井俊二, 中塚映政, 山田宏
    • 学会等名
      第41回日本疼痛学会,

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公開日: 2021-01-27  

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