研究課題/領域番号 |
18K09093
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
鈴木 昌彦 千葉大学, フロンティア医工学センター, 教授 (10312951)
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研究分担者 |
大鳥 精司 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (40361430)
折田 純久 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任准教授 (60638310)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 多血小板血漿 / 凍結乾燥 / 成長因子 / Platelet Rich Plasma |
研究実績の概要 |
PRPに含まれる成長因子のうち骨癒合促進能に関与するPDGF(platelet-derived growth factor),FGF(fibroblast growth factor),EGF(epidermal growthfactor)についてELISA法により定量した結果,凍結乾燥後も新鮮PRPとほぼ同様の成長因子のタンパク濃度が保たれていることが証明された. 各成長因子の下流のシグナルであるMAPキナーゼERKの活性について,western blottingによりリン酸化の有無を検出することでその活性を評価した.また,siRNAによるRNAiの手法を用いてノックダウン後に新鮮PRPおよびfdPRPを投与,ERK活性の抑制効果の検討を行った. p-ERK, total-ERK, DAPIによる細胞免疫染色を行い,MTT assayにてそれぞれの刺激による細胞増殖についての検討を行った.fdPRPは新鮮PRPと同様に薬理学的活性を有し骨芽細胞を増殖すること,PRP中の各成長因子はERK pathwayを介し骨芽細胞増殖に寄与することが示された. その結果をもとに,動物モデルを用いての骨癒合促進効果についても一部評価した.8週SDラットの脊椎固定術モデルを作成し各移植材料を横突起間に移植した. 群分けとして,sham群(展開のみ),自家骨単独群,人工骨単独群,人工骨+fdPRP(作成後8週間保存したもの)群,人工骨+BMP群の5群とした.また,術後8週で椎体を摘出し,HE染色での組織学的評価(骨形成量,骨梁)に加え,骨移植部分を部分摘出し3点曲げ法で力学的評価を施行した.結果,凍結乾燥PRPでは術後早期に骨癒合がみられ骨形成量も多かった.リモデリング部の骨梁は細く分岐が多い網目状構造を形成しており,強度試験では自家骨群およびBMP群と有意差なく良好であった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
PRPに含まれる成長因子のうち骨癒合促進能に関与するPDGF(platelet-derived growth factor),FGF(fibroblast growth factor),EGF(epidermal growth factor)について,新鮮PRP,fdPRP中のPDGF,FGF,EGFの量をELISA法により定量した結果,凍結乾燥後も新鮮PRPとほぼ同様の成長因子のタンパク濃度が保たれていることが証明された
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今後の研究の推進方策 |
各成長因子の下流のシグナルであるMAPキナーゼERKの活性について,western blottingによりリン酸化の有無を検出することでその活性を評価する.また,siRNAによるRNAiの手法を用いてノックダウン後に新鮮PRPおよびfdPRPを投与,ERK活性の抑制効果の検討を行う.上記ノックダウンと同様の実験をp-ERK, total-ERK, DAPIによる細胞免疫染色を行い評価する.さらにp-ERK/total-ERKの比率を医療用画像ソフトウェアであるImageJ(NIH, USA)にて算出する.MTT assayにてそれぞれの刺激による細胞増殖についての検討を行い,さらに各受容体ノックダウンによる細胞増殖抑制効果についても検討を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
購入を予定した機器に関して、以前の旧式の機器を直して使用可能だったため購入中止となった。実験にかかった経費が予想より低かったため来年以降に回すこととなった。
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