研究課題
現在行われている変形性関節症における再生医療の問題点の一つに細胞採取の煩雑さと必要培養細胞数の評価が十分に行われていないことが挙げられる。今回、変形性膝関節症のラットモデルを作成し、関節切開を行わずに関節穿刺によって得られたヒト関節液由来の間葉系幹細胞(synovial fluid derived mesenchymalstem cells: SF-MSC)を種々の濃度でラット関節内に投与する実験系を構築する。その後関節液由来間葉系幹細胞の軟骨変性予防効果と疼痛抑制効果を滑膜由来間葉系幹細胞(synoviumderived mesenchymal stem cells: Syv-MSC)と比較検討することを目的とする。人工膝関節置換術患者から得られた、同一患者由来の滑膜、関節液由来細胞を比較した。SF-MSCについてSyn-MSCと比較し増殖能・分化能をin vitroで検証した。passage10までの増殖能と細胞形態変化を見ると関節液由来の方が滑膜に比べて増殖能が低かったが、移植に必要と考えられる2000万の細胞を確保することは可能であった。また、細胞形態を確認したところ継代を繰り返してもその形態に問題はなかった。さらに、多分化能の解析(軟骨、石灰化、脂肪)を行ったところ双方とも3系統への分化を認めており、間葉系幹細胞の特徴を有していた。そこで、ラット軟骨欠損モデルモデルを作成しそれぞれの細胞を投与したところ軟骨再生能には有意な差が見られず、非劣性であることがわかった。一方で表面抗原の解析では、細胞接着に関連する、CD49や細胞増殖に関連するCD140aの発現はSF-MSCで優位に低下していた。
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