研究実績の概要 |
軟部肉腫において最多である未分化多形肉腫27例、粘液型脂肪肉腫36例、平滑筋肉腫11例、脱分化方脂肪肉腫15例、滑膜肉腫36例について CD8, FOXP3, CD163,PD-L1について切除標本を用いた発現解析を行った。いずれの腫瘍についてもCD8陽性のリンパ球浸潤が様々な割合で確認されたが、未分化多形肉腫、平滑筋肉腫、脱分化型脂肪肉腫に高い発現を認めた。CD163陽性マクロファージは未分化多形肉腫、平滑筋肉腫、脱分化型脂肪肉腫に高い発現が認められた。滑膜肉腫においてはCD8は優位な予後良好因子であった。CD163は逆に滑膜肉腫、粘液型脂肪肉腫、において優位な予後不良因子であることが判明した。 一方でPD-L1は肉腫全般に発現は低かったが、未分化多形肉腫においては優位な予後不良因子であった。特に滑膜肉腫や粘液型脂肪肉腫ではPD-L1自体に発現が極めて低く、これが現在までに臨床研究で明らかになりつつある、原稿の免疫チェックポイント阻害剤が肉腫への効果が極めて限定的であることの要因をなす可能性が示された。本研究の概略は2019年に開催された米国AACRにて発表を行った。(Okie N, Kwashima H, Ogose A, et al. Clinical significance of tumor immune microenvironment in soft tissue sarcoma)
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