• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

高齢者運動器疾患の全身網羅的長期縦断解析と健康寿命延伸のための介入プログラム策定

研究課題

研究課題/領域番号 18K09102
研究機関名古屋大学

研究代表者

今釜 史郎  名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (40467288)

研究分担者 小林 和克  名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (00706294)
安藤 圭  名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (40566973)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード骨粗鬆症 / 変形性膝関節症 / 変形性腰椎症
研究実績の概要

骨粗鬆症,変形性膝関節症 (膝OA),変形性腰椎症 (腰OA)の3疾患が1つもない中高齢者の因子は明らかにすべく,一般住民健診データを用い解析した. 北海道八雲町の運動器健診を受診した中高齢者1021名 (男性440名,女性581名,平均年齢63.4歳)を対象とした.膝や脊椎手術の既往,脊椎骨折のある受診者は除外した. 3疾患がひとつもないN群と,いずれか1つ以上あるD群に分け,年齢,性別,body mass index (BMI) ,疼痛, 運動機能や筋力,重心動揺検査,脊椎アライメント,QOL (SF-36)との関連を調査した.
結果として, N群(440名,43%)はD群(581名,57%)に比べ,BMIが有意に低く,腰痛や膝痛が軽度で,10m歩行速度などの運動機能が優れ,背筋力,握力が強かった(p<0.0001).N群ではさらに重心動揺値が安定し,仙骨傾斜角や腰椎後弯角,脊柱前傾角,腰椎可動域などの脊椎アライメントが良好であった(p<0.0001).N群ではQOLも有意に高かった(p<0.0001).年齢,性別で補正した多変量解析によるN群の関連因子検討では,BMI低値(Odds Ratio [OR]:1.2, p<0.05),10m歩行速度(OR:3.7, p<0.0005),背筋力(OR:1.03, p<0.05),腰椎前弯角(OR:1.20, p<0.01),脊柱前傾角(OR:1.2, p<0.05)などが独立した関連因子であった.
以上の結果より骨粗鬆症,膝OA,腰OAがひとつもない一般中高齢者に関連する因子が同定できた.歩行能力や筋力、脊椎アライメントなど高齢者の健康寿命延伸のために重要な因子が明らかとなり,このデータをもとに中高齢者への運動介入プログラム策定を行う.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

一般住民健診を予定通り行いデータ収集を行っているため.

今後の研究の推進方策

2019年度の結果を併せ,2020年度も一般住民健診を継続してデータ解析を行い,研究を推進する.

次年度使用額が生じた理由

2019年度に単独で行うデータ解析を一部2020年度のデータとともに解析するため,2019年度の助成金を2020年度に使用いたします.

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi