研究課題
超高齢社会を迎えた日本では、運動器疾患に罹患する高齢者も増えている。高齢者の運動器疾患の代表は骨粗鬆症、変形性関節症、変形性脊椎症で、それぞれ1000万人以上が罹患している。運動器疾患は要介護の要因の上位を占め、運動器疾患の早期診断・治療は、国民の生活活動度や生活の質(QOL)を維持・向上させ、介護費や医療費削減にも寄与する。さらにこれら慢性運動器疾患の予防に繋がる重要因子を明らかにし介入できれば、高齢者の健康寿命延伸に貢献できる。本研究の目的では当科の長期継続コホートを用い、運動・生活習慣介入プログラムを策定するための、高齢者の脊椎・関節病変(フレイル、サルコペニア、ロコモティブシンドローム[ロコモ]含む)と運動機能を含めた全身網羅的縦断解析を行うことである。中高齢者の変性疾患(骨粗鬆症、変形性膝関節症、 変形性腰椎症)の3疾患が1つもない中高齢者の因子は明らかにすべく、一般住民健診データ1034名 (男性440名、女性590名、平均年齢63.5歳)を用い、3疾患が一つもないN群と、いずれか1つ以上あるD群に分け解析した。N群ではQOLが有意に高かった。年齢、性別で補正した多変量解析によるN群の関連因子検討では、BMI低値、歩行速度、重心動揺安定、背筋力、脊柱前傾角少、ロコモなしが有意な関連因子であった。以上より骨粗鬆症、膝OA、腰OAがひとつもない一般中高齢者に関連する因子が同定でき、このデータをもとに中高齢者への運動介入プログラム(栄養指導、姿勢、バランス訓練、筋力増強運動)が策定できる。
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