研究課題/領域番号 |
18K09113
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
大谷 晃司 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50285029)
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研究分担者 |
関口 美穂 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (00381400)
小野 玲 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (50346243)
紺野 愼一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (70254018)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 自己効力 / ロコモティブシンドローム / 慢性疼痛 |
研究実績の概要 |
自己効力感と運動器慢性疼痛やロコモとの関係の検討をおこなった。 【目的】加齢性変化に伴う形態的異常があったとしても、痛みや機能障害の程度を軽減させる方策を見いだすことが現実的である。本研究の目的は、自己効力感と運動器慢性疼痛やロコモとの関係を検討することである。 【対象と方法】対象は、令和元年の調査で研究参加に同意が得られた60歳以上の地域在住住民1872名(男性827名、女性1045名、最多年代層70歳代)である。調査項目は、3ヶ月以上続く痛みの部位の数(頚部、腰部、四肢関節を含む14カ所から選択)(以下、慢性痛の数)、ロコモ25,一般性自己効力感(General Self-Efficacy Scale、以下GSES)および痛みに対する自己効力感(Pain Self-Efficacy Scale、以下PSEQ)である。ロコモは、ロコモ25より令和2年に策定されたロコモ度3をくわえた4段階(ロコモなし、ロコモ度1,2,3)でロコモを分類評価した。統計学的検討は、Spearmanの順位相関係数と分散分析法を用い、post-hocテストには、Scheffe法を用いた。有意水準5%未満を統計学的な有意差ありとした。【結果】1. 自己効力感と年齢との相関係数は、GSESは-0.013、PSEQは-0.132であり、いずれも相関関係は認められなかった。2. 自己効力感と慢性痛の数との相関係数は、GSESは-0.149、PSEQは-0.210であり、PSEQとの間に弱い相関関係を認めた。3. 慢性痛の数とロコモとの関係では、ロコモ度が上がると慢性痛の数は増加し、各群間全てに統計学的有意差を認めた。4. 自己効力感とロコモとの関係では、GSESのロコモ度1と2の間を除き、GSES、PSEQともに、ロコモ度が上がると自己効力感は統計学的に有意差をもって低下していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3年度は、令和2年度同様に新型コロナウイルス感染症問題により、充分な活動が出来なかった。すなわち、従来の調査は出来ず、只見町においてのみ、特定健診会場において、ロコモに関するアンケート調査が実施できただけであった。一方、平成30年度から令和元年度まで参加した4613名のうち、令和3年度の只見町の調査に参加した417名を除いた4177名に対して、郵送によるロコモの調査を行い、1398名から回答があり、現在、データセットを作成中である。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は、新型コロナウイルス感染症問題が生じる以前と比べては未だ不十分ではあるが、対面でのロコモ調査が行われる予定であり、最終的には平成30年から令和4年まで最長4年間の縦断研究のデータセットを作成する。また、只見町で令和2年からから始めた老化関連因子としての血清ペリオスチンとロコモ度や各種検診結果との関係について、探索的な検討を行い、今後の新たな研究の発展に寄与できる基礎データを提示したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症のため、予定した調査が行えなかった。2022年度は調査実施飲み込みである。
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