研究課題/領域番号 |
18K09126
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
目貫 邦隆 産業医科大学, 医学部, 助教 (00609216)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | TRPV / DXA / microCT / 骨形態計測 |
研究実績の概要 |
成熟雄性(8週齢)のC57BL/6Jマウス(WT)、TRPV1KOマウス(V1KO)、TRPV4KOマウス(V4KO)、TRPV1/4DKOマウス(DKO)を用いて安静2週群の実験を行なった。体重測定後に屠殺し、大腿骨DXA、microCT画像での解析を行なった(n=10)。さらにWTとDKOは脛骨近位部の骨形態計測を行った(n=5)。体重はV4KO群がV1KO群とDKO群と比較して有意に高値であった。大腿骨DXAはV4KO群がV1KO群と比較して有意に高値であった。大腿骨遠位部microCTでは、BV/TVはDKO群がWT群、V1KO群と比較して有意に高値、V4KO群がV1KO群と比較して有意に高値であった。Tb.Nは、DKO群がWT群、V1KO群と比較して有意に高値、V4KO群がV1KO群と比較して有意に高値であった。Conn.D は、DKO群、V4KO群ともにWT群、V1KO群と比較して有意に高値であった。大腿骨骨幹部microCTでは、Ct.Ar/Tt.ArはDKO群がWT群、V1KO群と比較して有意に高値、V4KO群がWT群と比較して有意に高値であった。脛骨近位部の骨形態計測においても、DKO群でBV/TVが高値であり、骨形成パラメーター(MS/BS、MAR、BFR/BS)の有意な高値と骨吸収パラメーター(Oc.S/BS、Oc.N/BS)の有意な低値を示した。大腿骨DXA、microCT画像の解析は、V4KOが他の群と比較して有意に体重が大きかったことに伴い、全体的にV4KO群で骨量が多い結果となった。しかし、脛骨近位部でのコツ形態計測ではDKO群でBV/TVが高値であり、骨形成パラメーターの有意な高値と骨吸収パラメーターの有意な低値を示し、TRPV1とV4の遺伝子をノックアウトすることにより骨量を増加させる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
4週安静群やクライミング群の実験も検討していたが、TRPV4KOマウスの体重が野生型と比較し有意に高値であったことから、TRPV1KOマウス、TRPV1・4DKOマウスも追加して実験を行なったためそこまで到達することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度(平成 31 年度)においては、平成30年度に行なったin-vivoの実験で安静群でもDKOでWTと比較し有意に骨量が増加していたため、今後は安静群のWT, V1KO, V4KO, DKOマウスの初代骨髄細胞培養を行い、それぞれのマウスにおける骨分化能、骨形成能、骨吸収能を比較検討し、DKOがWTと比較し骨量が増加する機序についてより詳細に解明を行なっていく予定である。さらにクライミング群での実験も行なっていく。
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