研究課題
前年度に引き続き、限局性前立腺癌組織、針生検および経尿道的切除によって得られた去勢抵抗性前立腺癌組織(CRPC)および経尿道的切除によって得られた前立腺肥大症組織を用いて患者個別のオルガノイドを樹立した。由来した組織の保存状態、患者個別の要因、組織学的特性に関連した要因によって、オルガノイドの樹立、維持の難度は症例ごとに大きく異なっていた。このCRPCオルガノイドにエンザルタミド、アビラテロン、ドセタキセル、カバジタキセルを添加し、薬剤感受性を調べた。さらにオルガノイドを作成した患者の薬剤感受性の臨床情報との相関を解析した。これらのオルガノイドおよび前立腺癌細胞株を用いて、KIFC1、MAPT、TUBB3、BUB1B、procadherrin B9などの分子群を介した、CRPCにおけるドセタキセル、カバジタキセルおよびビカルタミドといった薬剤耐性の分子機構を明らかにした。さらにKIFC1阻害剤によるドセタキセル感受性の回復を報告した。根治的前立腺全摘除術によって得られた前立腺癌組織と非癌部前立腺組織における超転写保存領域(T-UCR)をマイクロアレイ解析とリアルタイムPCR法によって比較することによって差が認められたT-UCRについて、オルガノイド間での発現の相違を確認した。T-UCRによって発現が制御されることが明らかになっているマイクロRNA群について、オルガノイドにおける発現を確認した。これらの分子群およびT-UCRの解析によって得られた知見については腎細胞癌、尿路上皮癌においても関連した所見がみられるかどうかを解析した。CRPCおよび腎癌、尿路上皮癌症例の集積過程で、当施設及び関連施設において加療した症例に対する各薬物療法の治療効果、予後予測因子を明らかにした。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件)
Urol Oncol
巻: 24 ページ: 112-115
10.1016/j.urolonc.2021.03.001.
Oncology
巻: 99 ページ: 240-250
10.1159/000512446.
巻: 98 ページ: 689-698
10.1159/000506775.
巻: 38.795e ページ: 1-8
10.1016/j.urolonc.2020.04.032.
巻: 38.695e ページ: 9-17
10.1016/j.urolonc.2020.02.010.