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2018 年度 実施状況報告書

放射線被爆間質細胞が尿路上皮癌の生存・増殖・浸潤に及ぼす影響について

研究課題

研究課題/領域番号 18K09138
研究機関佐賀大学

研究代表者

南里 麻己  佐賀大学, 医学部, 助教 (00448474)

研究分担者 野口 満  佐賀大学, 医学部, 教授 (00325648)
東武 昇平  佐賀大学, 医学部, 准教授 (50647021)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード尿路上皮癌 / 放射線被曝繊維芽細胞 / 脂肪組織 / 間質細胞
研究実績の概要

膀胱癌に対する放射線療法でRadiation-induced bystander effectsによる放射線被爆間質細胞が膀胱癌細胞に与える影響は不明である。このメカニズム解明のために、今年度は脂肪組織由来放射線被爆間質細胞(Adipose tissue stromal cells:以下ATSCs)と非浸潤性膀胱癌との細胞間相互作用について、collagen gel invasion assay systemを用いて検討を行った。増殖をki-67、アポトーシスをCC3の免疫染色にて評価を行った。ATSCsとの共培養群で、非浸潤性膀胱癌の増殖が抑制され、アポトーシスが促進されたが、放射線被爆ATSCsとの共培養群でより、非浸潤性膀胱癌の増殖が抑制され、アポトーシスが促進された。放射線被曝によるbystander effectによりATSCsが、非浸潤性癌細胞の増殖・浸潤抑制因子、アポトーシス促進因子になることが示唆された。非浸潤性膀胱癌が増殖抑制、アポトーシス促進された現象の関与因子、pathwaysを検討するため、膀胱癌-ATSCs相互作用解析モデルを用い蛋白抽出と解析を行った。Phospho-MAPK Proteome Arrayにて網羅的解析い、western blots法で発現の比較を行った。放射線被爆ATSCsとの共培養群では、非浸潤性膀胱癌のp-JNKの発現亢進、p-p38の発現抑制がそれぞれ促進され、JNK, p38などのmoleculesの発現変化がRadiation-induced bystander effectsに関与することが推測された。また, p-AKt, p-mTOR経路のpathwaysの発現抑制が見られ、放射線被曝ATSCsは、 mTOR 経路の発現を抑制し、これがアポトーシス促進のメカニズムの一つとして可能性が考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は、当初予定した計画書通りし進行している。
組織・サンプル採取、培養システム、標本作成や実験解析等は、滞りなく進捗している。遺伝子不安定性を検討するため、マーカーである53BP1の免疫染色/蛍光免疫染色を行なったが、使用した癌細胞株(RT4)における元来の発現率が高く、対照群との比較が困難であり、現在別の遺伝子不安定性マーカーにて検討中である。

今後の研究の推進方策

次年度(平成31年度)は、引き続き、脂肪組織由来放射線被爆間質細胞と浸潤性膀胱癌との相互作用について、前年度と同様の検討を行う予定である。また放射線被曝によるbystander effectのkey molecules の同定、間質細胞の癌細胞に対する候補遺伝子や蛋白の同定、癌細胞動態の仲介因子の同定を試みたい思う。また、混合培養系における癌細胞の遺伝子解析、RT-PCR、cDNA microarrayを用いて網羅的遺伝子解析を行う予定である。 余裕があれば、skid mouseへの移植実験により、造腫瘍・転移系性能における放射線非被曝間質細胞の役割をin vivo系実験での解明を試みたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 放射線被曝繊維芽細胞が膀胱癌に与える影響についての検討2018

    • 著者名/発表者名
      南里 麻己
    • 学会等名
      泌尿器分子細胞研究会

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公開日: 2019-12-27  

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