研究課題
多施設前向きコホート研究として、尿路結石患者の臨床・血液・蓄尿のデータバンクを設立し、登録を開始した。上記登録患者に対して、結石患者の腎乳頭部のRandall’s plaque部位と正常腎盂の粘膜組織を生検した。Randall’s plaqueを電子顕微鏡で観察したところ、RPはリン酸カルシウムで構成され、内部にオステオポンチンと周囲にコラーゲンの発現を伴っていることがわかった。さらに、DNAマイクロアレイの結果から、Randall’s Plaque周囲では炎症/腎障害・免疫細胞・酸化ストレス・血管収縮に関わる遺伝子の発現が増加し、ナトリウム・カリウム・クロールなどの輸送に関わる遺伝子の発現が低下しており、これらのネットワークにおいて炎症促進サイトカインによる細胞障害がRandall’s Plaqueの発生に関わることを明らかにした。さらに、結石患者の腎石灰化部位において、腎正常部位の2倍以上に発現増加している遺伝子群にOPNが含まれていることを証明した。また私たちは、OPNには、結石形成に係わる2つの機能ドメイン(Ca結合領域と細胞接着RGD領域)があることを証明し、トロンビン切断型のOPN抗体を作成し、結石モデル動物を用いて、結石形成を抑制することに成功した。その結果をもとに、尿中の重合OPNを測定するELISAキットを作成した。プレリミナリー研究では、尿路結石患者では、健常人を比較したところ、結石患者では、重合OPN濃度が上昇していることを確認した。つまり、重合OPNは、腎結石の新規バイオマーカーとしての可能性があると考えられる。
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