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2020 年度 実施状況報告書

Transgenic spermを用いた卵活性化因子PLCζの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 18K09144
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

窪田 裕樹  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (10347403)

研究分担者 安井 孝周  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40326153)
梅本 幸裕  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (80381812)
岩月 正一郎  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (70595397)
野崎 哲史  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (50813432)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード精巣内遺伝子導入 / PLC zeta
研究実績の概要

PLC zetaと標識タンパクであるGFPおよびYFPとの融合タンパクを発現するベクターを作成し、これを発現するtransgenic spermの作成を目標とした。ICR系雄マウス(4~6週齢)の精巣内にエレクトロポレーション法に基づいて遺伝子導入を行った。既に、電気刺激の条件設定により、導入効率および組織への障害の程度が大幅に変化することが確認できていたので、最適な条件を求めて繰り返し遺伝子導入を行い、効率および組織障害について評価した。
遺伝子導入後、2~3週の期間をおいて、上記マウスを屠殺して精巣組織を摘出して、蛍光顕微鏡下で融合タンパクの発現を検討した。当初は、融合タンパクの発現は一部のSertoli細胞のみに見られていたが、電気刺激の条件を変化させることにより発現パターンが大きく変わることが確認できた。Sertoli細胞の多くに発現させることは比較的容易であったが、精細胞への導入効率は当初の想定よりもかなり低く、一部の精祖細胞に発現が見られる程度にとどまっていた。今年度の後半になって、ようやく安定した精細胞への導入が認められるようになり、精子細胞および精子への融合タンパクの発現は非常に困難であったが、ごく少数の融合タンパク発現精子(transgenic sperm)を確保することができた。精子におけるPLC zetaの発現パターンは、精子頭部から体部にかけて認められ、過去の報告から推定されるものと矛盾は無かった。
得られるtransgenic spermがごく少数のため、PLC zetaの機能解析や卵活性化因子であることの確認には至っていないが、次のステップに進むことは可能と考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

精細胞への導入効率が想定以上に低いことから、in vivo gene transferによりマウス精巣からtransgenic spermを得るための条件設定が非常に難しい。ごく少数のtransgenic spermを確保することはできたが、今後の実験の遂行のため、精細胞への導入効率を上げるべく試行錯誤を繰り返している状況である。

今後の研究の推進方策

若干の遅れはあるが、概ね想定の範囲内で進行している。
in vivo gene transferの効率が低いという課題の解消ができていないが、ごく少数のtransgenic spermを確保することはできた。今後はin vitro fertilizationを行い、Ca oscillationの発現パターンの解析ならびに受精から胚の初期発生におけるPLC zetaの挙動について重点的に観察・検討を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

ICR系の雄マウス(4-6週)を用い、麻酔下に精巣網から逆行性に精細管内へ融合蛋白 発現ベクター溶液を注入し、エレクトロポレーション法でマウス精子への遺伝子導入を行っていた。計画自体は順調な滑り出しであったがCOVID-19による通常の医療業務が大幅に変更となり、予定していた研究を進めることができなかった。エレクトロポレーション法によるマウス精子への遺伝子導入を完結し、マウス卵細胞質内への融合淡白発現精子の注入を行っていきたい。

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公開日: 2021-12-27  

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