研究課題/領域番号 |
18K09145
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
沖原 宏治 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80285270)
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研究分担者 |
浮村 理 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70275220)
白石 匠 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70405314)
本郷 文弥 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80291798)
上田 紗弥 (伊藤紗弥) 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (90534511)
藤原 敦子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20457980)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 前立腺癌 / 局所療法 / アーチファクト / 穿刺針 |
研究実績の概要 |
本研究の2つのテーマである、1)至適marker形状の比較実験、ならびに2)癌病巣増大に伴う、経時的な「artifactless」の確証実験、の2項目の中で、至適な形状材質を確定することが、初期目標である。したがって、研究初年度は1)の実験を開始し、現時点でmarkerの形状がほぼ確立した段階である。1)の実験課程として、金―白金材質にて、硬度が十分維持できるかの弾性実験を行なった。口径がφ0.2- 0.3mmが硬度、弾性の観点で至適あることが実験から実証された。次に、断面形状を棒状、コイル状の2種のmarkerを作成し、超音波画像を用いて、すでに上市されている金markerとの音響陰影比較実験を行った。その結果、コイル形状(ピッチ間隔0.6-0.7mm)の形状が、上市markerならびに棒状の金白金素材markerと対比し、音響陰影が最小化することが明らかとなった。 本年後後半に、金白金素材の新規marker(口径φ0.2- 0.3mm、コイル状, ピッチ間隔0.6-0.7mm)の試作markerを作成し、コーンビームCT、multiparametric MRI画像において、上市markerとのartifact比較実験を行った。その結果、金白金素材の新規markerのartifactは上市3種のmarkerと対比し、明らかに低減化していることが実証された。 現時点で、至適marker形状が上記種々の実験で、優位性が明らかとなり、針製造企業の協力のもと、新規markerを装填した新規穿刺針の試作品の作成に着手している状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始1年目の段階で、新規markerの加工、形状が完成したことから、おおむね順調に進展していると考える。次年度は、本研究の2つのテーマの後半となる、2)癌病巣増大に伴う、経時的な「artifactless」の確証実験の実施計画をすすめることであるが、具体的には1年目のファントム実験系から動物に移行する実験系に移行することにある。動物実験系を再度、勘案するにあたり、優先度を本研究の担当者で再度協議する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
上述のように、癌病巣増大に伴う、経時的な「artifactless」の確証実験の実施計画を進める前段階として、当初の実験計画ではラットを用いた経時的画像探索実験を第一に考えていた。しかしながら、臨床応用を第一に勘案した際、上述の試作穿刺針を用いた、より大動物(イヌなど)の穿刺実験を先行させ、哺乳動物を用いた前立腺内部の新規markerの視認性、marker留置の正確性を実証することを行う予定である。ファントム実験課程と同様に、他の上市markerとの穿刺比較実験を行い、まず超音波画像での対比、その後動物をsacrificeした後、実験棟でのCT MRIを用いた画像比較実験を予定する。留置初期の段階での、超音波、CT、MRIでの、marker留置の視認性(artifactlessの対比)と正確性が担保された段階で、上述の約15週齢のSV40前立腺癌モデル雄ラットの前立腺腫瘍部位に候補となる癌病巣標的治療マーカーを留置する実験を展開する予定である。 同時に、穿刺針一体型の新規markerの上市を目的とし、発明届の申請、国内特許申請の書類作成にも着手し、本研究研究費から歳出を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
大動物を用いた穿刺実験と解析、前立腺癌モデル雄ラットを用いた経時的な主に超音波、MRI画像の追跡実験が予定されており、本研究の継続は必要である。 大動物を用いた穿刺実験においては、必要に応じて、新規markerの優位性の担保目的から2回目の実験も勘案する予定である。
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