研究課題
基盤研究(C)
尿路結石症患者を対象とした臨床研究から、脂質異常症(LDL/HDL比)が尿路結石症の重症度と関連することや、尿路結石症患者では非アルコール性脂肪肝(NAFLD)の有病率が高く、NAFLDは尿路結石症の原因となる高蓚酸尿などの尿化学異常と関連することが明らかとなった。また、脂肪沈着モデルの培養尿細管細胞を用いた基礎研究から、脂肪沈着によって尿路結石の形成過程でみられる蓚酸による尿細管細胞障害や蓚酸カルシウム結晶付着が増強することが明らかとなった。
尿路結石症
本研究の結果から、脂質異常症は腎脂肪毒性による尿細管細胞機能障害を介して、尿路結石形成を促進することが明らかとなった。尿路結石症はメタボリックシンドロームやその構成要因である肥満や糖尿病と関連性のあることは知られていたが、本研究から脂質異常症とも関連することが示されたことは新たな知見であり、尿路結石症の病因を解明するための新たな方向性を提示するとともに、実臨床における尿路結石症の再発予防にも活用することができる。