研究課題
常染色体優性多発性嚢胞腎の生殖細胞系列変異の解析と、その病態との関連を検討した。ターゲットシーケンスとして、対象疾患ならびに鑑別すべき疾患の既知原因遺伝子をターゲットとした生殖細胞系列変異のパネル遺伝子検査を行った。対象とする遺伝子はPKD1、PKD2、PKHD1、TSC1、TSC2、PRKCSH、SEC63、LRP5、VHL、HNF1B、MUC1、UMOD、OFD1、GANABである。上記ターゲットリシーケンスでカバーできないPKD1遺伝子のExon1領域については、遺伝子特異的Long PCRを行い、これを鋳型としたダイレクトシーケンスを行う。さらにコピー数多型(copy number variation)解析として、Multiplex ligation- dependent probe assay(MLPA)法で遺伝子のExon単位でのコピー数変化を検出した。2020年度までに全258例の解析が終了し、SEC63変異1例、OFD変異1例、GANAB変異1例をみとめた。また、PKD1変異186例、PKD2変異69例であり、PKD2変異が全体の26.7%と、これまでの報告に比べやや割合が高かった。 同一家系内での解析は20家系計44名であり、家系内の遺伝子変異部位は一致した。親もしくは同胞の年長者(A)の腎機能と、子もしくは同胞の年少者(B)がAの年齢に達した時の予測腎機能(Mayo分類より算出)を比較したところ、Aの実測eGFR値とBの予測eGFR値の差が15mL/min/1.73m 2 以下であったのは、11家系(55%)であった。同一家系内の遺伝子解析にMayo分類を組み合わせると腎予後予測に有用な可能性が示唆された。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件)
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