研究課題/領域番号 |
18K09154
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
伊東 晴喜 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究員 (10817448)
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研究分担者 |
後藤 崇之 京都大学, 医学研究科, 講師 (90806605)
根来 宏光 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80708595)
奥野 博 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 内分泌代謝高血圧研究部, 研究室長 (90263079)
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長 (40335443)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 夜間頻尿 / 時計遺伝子 / ノビレチン |
研究実績の概要 |
夜間頻尿は時計遺伝子が関与する生体の日内変動の異常と捉えることができる。フラボノイドで概日リズムを調節するといわれているノビレチン・タンゲレチン混合物(NoT)を用いてランダム化プラセボ対照2重盲検化クロスオーバー比較試験を、排尿日誌で夜間排尿回数が2回以上の患者(50歳以上の男女)を対象に行い、実食品先行群はNoT50㎎(ノビレチン30㎎タンゲレチン15㎎含)を毎夕6週間投与しその後偽食品を毎夕6週間投与した。偽食品先行群の患者はその逆とした。計40人の患者(平均年齢73.5歳)を割付し36人の患者が試験を完了し、4人が脱落となったが明らかにNoTに直接関連すると思われる有害事象はなかった。夜間膀胱容量は、NoTで6.2±38.6 ml、偽食品で0.5±47.9 mlの増加で有意差はなかった(差5.7ml,P=0.61)。夜間排尿回数は、NoTで-0.49±0.86回と減少、偽食品で0.01±0.82回と増加し、NoTが偽食品より有意に減少した(差-0.50回,P=0.040)。夜間頻尿患者においてNoTは偽食品より夜間排尿回数を有意に低下させた。 基礎研究に関しては昨年同様、フラボノイド系化合物のin vivoでの投与実験を行うにあたり、膀胱時計遺伝子が発現低下している評価モデルとして、尿路上皮特異的Bmal1KOマウスを作製した。マウスの排尿行動を測定したが、コントロールと比べて現在のところ顕著な差は確認できず、ノビレチン投与による排尿機能の差を検出するのは困難と考え、当モデルでのin vivoの実験は見合わせている。
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