研究課題/領域番号 |
18K09164
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
三宅 秀明 浜松医科大学, 医学部, 教授 (60379435)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 去勢抵抗性前立腺癌 / ドセタキセル / 耐性獲得機構 / 新規治療 |
研究実績の概要 |
令和元年度における本研究は、研究計画書に従い順調に推移した。まず、docetaxel耐性去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)細胞株および母細胞株のdocetaxel投与前後におけるEMTおよびアポトーシス関連分子の発現レベルをWestern blotting等により評価した。また、cDNA microarrayを用いて、上記と同様のサンプル間における遺伝子発現レベルを網羅的に比較解析し、CRPCのdocetaxelに対する耐性獲得に関与している可能性のある2、3の候補分子を同定した。それらに対する複数のアンチセンスオリゴをデザインし、耐性株における標的分子の発現を濃度依存的に阻害し得るアンチセンスオリゴを選定した。その上で、耐性株のdocetaxelに対する感受性が、それらのアンチセンスオリゴによる標的分子の活性阻害にて亢進するが、cabazitaxelに対する感受性には影響を及ぼさないことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記した通り、複数のdocetaxel耐性CRPC細胞株を用いて、体制獲得に関与すると考えられる分子を同定し、さらにその発現を抑制し得るアンチセンスオリゴをデザインした。以上より、本研究は概ね順調に進展していると判断するものである。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究としては、docetaxelに対する耐性克服を示唆する所見が得られた標的分子の活性阻害の効果をin vivoで検討する。母細胞株および耐性株を皮下および同所移植等の方法でマウスに移植し、docetaxel単独、cabazitaxel単独およびdocetaxelと耐性獲得標的分子の活性阻害の併用投与を行い、その抗腫瘍効果を比較解析する。また、摘出腫瘍組織を用いて、標的分子のin vivoにおける活性阻害効果を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度の繰越金が生じた理由としては、研究そのものが順調に進捗したため、試薬等の購入費が予定額を下回ったという点と、当科研究室において既に所有していた物品を本研究において使用したという点が挙げられる。今年度においては、in vivo実験に要するマウス購入費等で予定通り使用する見込みである。
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