研究課題/領域番号 |
18K09173
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
坂倉 毅 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (00275132)
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研究分担者 |
郡 健二郎 名古屋市立大学, その他部局等, 学長 (30122047)
安井 孝周 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40326153)
岡田 淳志 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (70444966)
安藤 亮介 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (30381867)
濱本 周造 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (80551267)
田口 和己 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (00595184)
海野 怜 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (40755683)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | オートファジー / 腎結石 |
研究実績の概要 |
結石形成過程においてmTOR発現の上昇がオートファジー活性の低下をもたらし結石形成を促進することを見出したが、mTOR活性上昇が、ROSの上昇に引き起こされると過程し抗酸化物質投与による結石抑制効果を検討した。まずIn vitroでは、マウス腎尿細管細胞に、抗酸化物質であるN-acetyl-L-cysteine (NAC)5mmol/L、タイロン0.2mmol/L、アスコルビン酸0.2mmol/を2時間それぞれ暴露させ、細胞を洗浄後シュウ酸カルシウム結晶20μg/cm2添加した。細胞内の活性酸素種(ROS)をMitosox染色で、炎症と酸化ストレスをTNF, Il6, Sod1の定量PCRで行った。また、結晶付着量を検討した。つぎに、In vivoでC57BL/6Jマウスに、グリオキシル酸(GOX)80mg/kgとNAC200 mg/kg/dayを投与し、炎症と酸化ストレスをTNF, Il6, Sod1の定量PCRで、腎結石形成量をPizzolato染色で確認した。さらにIn vitro, vivoとも抗炎症作用や抗酸化ストレス作用を示すKeap1-Nrf2経路の解析を、Western-blotと免疫染色で検討した。In vitroでは。それぞれの抗酸化物質投与により、細胞内のROS、炎症が有意に抑制された。結晶の細胞への結晶付着も有意に抑制された。In vivoでも同様にNACの投与により、細胞内の炎症や酸化ストレスが抑制され、結石形成も有意に抑制された。さらに、抗酸化物質投与によりWestern-blotでKeap1の上昇、核内Nrf2の発現上昇が認められた。またmTORの発現も抗酸化物質投与で有意に抑制された。以上のことからROSがmTOR活性上昇をもたらしオートファジーを低下されることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
mTOR上昇の原因を調べるために、追加で抗酸化物質投与実験を行ったため。
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今後の研究の推進方策 |
オートファジー亢進による結石形成抑制効果を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
試薬や動物を無駄なく発注した結果、当初予算より若干節約ができた。また計画自体は順調な滑り出しであったがCOVID-19による通常の医療業務が大幅に変更となり、予定していた研究を進めることができなかった。このため次年度使用が生じた。最終年度に使用しよりよい結果をのこしたい。
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