研究課題/領域番号 |
18K09174
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
遠藤 純央 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (30646823)
|
研究分担者 |
安井 孝周 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40326153)
岡田 淳志 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (70444966)
濱本 周造 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (80551267)
田口 和己 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (00595184)
藤井 泰普 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (30566229)
海野 怜 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (40755683)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 腎結石 / ベージュ細胞 / β3刺激薬 / メタボリックシンドローム |
研究実績の概要 |
本研究では、[1]尿細管細胞と脂肪細胞の共培養系を用いたベージュ細胞の機能解析 [2]結石モデルマウスおけるベージュ細胞分化誘導による結石抑制効果[3]メタボリックシンドロームモデルマウスを用いたベージュ細胞分化誘導と結石抑制効果の検討を目的としている。 [1]ダブルチャンバーを用いてマウス尿細管上皮細胞、脂肪細胞とマクロファージを共培養するための予備実験として、3T3L1細胞およびC3H10t1/2細胞の単独培養を行ってきた。両者とも線維芽細胞から脂肪細胞へと分化するモデルであり、3T3L1細胞は形態・遺伝子発現ともに白色脂肪細胞に分化し、C3H10t1/2細胞はベージュ細胞に分化した。今後は両細胞を用いて共培養実験を行なっていく。 [2]私たちがこれまでに作成した腎結石モデルマウスの手法を用いて実験を行った。β3刺激薬を投与してベージュ細胞への分化誘導を行うと、Controlと比較して腎結石形成量が有意に減少した。腎結石形成量はβ3刺激薬の投与量依存性に減少していた。また、腎における遺伝子発現を調べると、ベージュ細胞を分化誘導したマウスにおいては、炎症性サイトカインの発現が低下し、抗酸化ストレスマーカーの発現が亢進していた。これらより、ベージュ細胞は生体内において腎の抗炎症・抗酸化ストレス作用をもたらし、腎結石形成を抑制する可能性が示された。 [3]メタボリックシンドロームモデルマウス(ob/ob:B6.Cr-leP)を用いた実験を予定している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記の研究実績の概要における[1]で、昨年まではC3H10t1/2細胞からベージュ細胞に分化するための条件設定に時間を要した。ようやく分化するための条件が整い、今後共培養実験を進めていく予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
[1]現在共培養実験を行なっており、今後結果を解析していく予定である。 [3]まずヘテロ遺伝子マウス (ob/+)を導入し、当学実験動物研究教育センターにて管理・交配させ、必要頭数(36匹)まで繁殖する。腎結石モデルマウスの手法で結石を作成するとともに、ベージュ細胞への分化誘導を行い、メタボリックシンドロームマウスにおけるベージュ細胞の結石抑制効果を調べる予定である。 ※[1].[3]は「研究実績の概要」の番号の通り
|
次年度使用額が生じた理由 |
シュウ酸前駆物質であるクリオキシル酸(GOX)を腹腔内投与することで、尿路結石を生じさせる結石モデルマウスに対してβ3 刺激薬あるCL316,243(CL)を投与し、脂肪組織の形態変化およびベージュ細胞の活性を調べる実験系であったが、コントロールとしての結石形成ができなかった。モデルマウスの作成のやり直しなど、実験系を見直したため、研究計画の進行が遅れ、次年度使用額が発生した。結石形成モデルマウスを安定して作成し、さらにメタボリックシンドロームモデルマウスを作成し、ベージュ細胞分化誘導と結石抑制効果について検証していきたい。
|