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2018 年度 実施状況報告書

前立腺癌細胞におけるStARを標的とした治療探索的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K09178
研究機関獨協医科大学

研究代表者

井手 久満  獨協医科大学, 医学部, 准教授 (00301383)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード前立腺癌
研究実績の概要

ステロイド合成のために、コレステロールをミトコンドリア内膜に輸送する蛋白質StARに着目した。これまで、StARと前立腺癌の発癌、進展、ホルモン依存性に関する報告はほとんどない。本研究では、AhRを介したStAR蛋白質の発現調整機構の解明とStARを標的とする治療の可能性を研究する。ヒトStARに対するマウスモノクローナル抗体(Santa Cruz Biotechnology社)を用いて、ヒト前立腺癌におけるStAR蛋白質の発現を検討した。本抗体はすでにWesternblottingで用いた抗体と同様であり、モノクローナル抗体のためStARに対する特異性は極めて高い。StARは前立腺癌培養細胞であるLNCaPや22Rv-1細胞で発現しており、その発現は前立腺癌の浸潤に関わる転写因子Aryl Hydrocarbon Receptor(AhR)を介していた。前立腺癌細胞株を用いた検討では、AhRのシグナルは増殖能に変化を及ぼさなかったが、浸潤能に対し抑制的に作用した。さらに、StAR蛋白質の発現抑制は転写因子であるAhRを介していることが、AhRの阻害物質CH223191を用いた検討で見い出している。StAR遺伝子の発現制御による前立腺癌細胞の浸潤、増殖の影響を検討し、今後、これら前立腺細胞株を用いて、テトラサイクリンによるStAR蛋白質の発現のオン、オフを行い、in vitroにおいて、細胞増殖能や浸潤能を検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

テトラサイクリンで誘導されるStAR遺伝子の下流にIRESを用いてGFPを連結したレトロウィルス発現ベクターを感染させ遺伝子導入するシステムの構築に時間を要している。

今後の研究の推進方策

今後、これらのGFPを導入された前立腺細胞株を用いて、以下の検討を行う。テトラサイクリンによるStAR蛋白質の発現のオン、オフによりin vitroにおいて、MTSアッセイによる細胞増殖能や浸潤能を検討する。前立腺癌細胞をsoft agar上で培養し、colony形成能の検討とクローン化を行う。また、in vivoへの実験系へ推進していく。

次年度使用額が生じた理由

研究結果の学会報告のための旅費を使用しなかったため。今後、前立腺細胞株を用いて、in vivoへの実験系を検討する。次年度、実験試薬ならびに旅費に30年度残金は233,782円と31年度1,100,000円 合計1,333,782円を使用する。

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公開日: 2019-12-27  

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