研究課題
進行性尿路上皮がん(Urothelial carcinoma、UC)患者に対する個別化がんペプチドワクチン療法(Personalized peptide vaccine、PPV)の新規治療戦略の確立が目的である。尿路上皮がん(腎盂・尿管・膀胱がん)は、手術、抗がん剤、放射線療法などの標準治療が抵抗性になると極めて予後不良である。現在、抗がん剤治療抵抗性後にがん免疫療法であるPD-1抗体薬(ペムプロリズマブ)が使用でき、さらには抗がん剤治療により一定の効果を認めた症例に対しての維持療法としてアベルマブも使用できるようになっている。しかしながら、満足のいく治療成績ではなく新規治療法の開発が求められている。われわれは、以前よりMHC(Major Histocompatibility Complex)クラスⅠ拘束性ペプチドワクチン開発に着手し、HLA(Human Leukocyte Antigen)-A24、-A2、-A3supertype、-A26拘束性ペプチド27種類を用い、最大4種類を投与するPPVの臨床試験を行い、その安全性及び有用性について検証してきた。UC患者に対するPPVにおける各ペプチドのOS改善への寄与度の解析として、これまでにUC患者144名に対してPPVの第Ⅱ相臨床試験を実施しているが、その中の111名を対象として投与したペプチドがOSに対する寄与度を、各HLA-A24、-A2、-A3supertype、-A26ごとに31種類のペプチドすべてに関して解析し、予後延長に寄与するペプチドをHLAタイプ毎に解析し報告した。UC患者に対するPPVのバイオマーカー検索、および有用ながん免疫複合療法としての有用な併用療法の探索を目的としている。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
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