研究課題
本研究では2013年にヨーロッパの癌治療組織が発表された精巣癌に特異的なQOL質問票であるEORTC QLQ-TC26(European Organization for Research and Treatment of Cancer Quality of Life Questionnaire-Testicular Cancer 26)の妥当性を多施設共同研究で検証するとともに、本邦精巣がんサバイバーQOLの実態を明らかにすることを目的に横断的研究を行った。妥当性検証では1回目の調査の約2週間後にEORTC QLQ-TC26日本語版の再調査も行った。今回得られたデータを解析して、EORTC QLQ-TC26日本語版は英語版の計量心理学的特性と同等の特性があることを認めた。それらの研究成果を令和2年の日本泌尿器科学会総会およびInt J Urol.で報告した。また、横断調査では東北大学および共同研究施設(北海道大学、筑波大学、神奈川県立がんセンター、京都大学、京都府立医科大学、大阪大学、大阪国際がんセンター)の協力を得て精巣がんサバイバー567例からEORTC QLQ-TC26日本語版を含んだ調査票に回答が得られた。治療終了後からの観察期間および治療方法別に分類して精巣がんサバイバーのQOLを評価した。精巣癌の治療後1年は再発の不安だけでなく仕事や学業にも強く不安を感じていることが明らかとなった。さらに、化学療法と後腹膜リンパ節郭清を行った精巣がんサバイバーは有害事象や身体的な制限が強く、仕事や学業に問題を感じていた。また、性機能の低下もみられた。今回得られた精巣がんサバイバーの実態調査の結果を令和2年の日本泌尿器科学会総会に報告し、Urologyに採択された。
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