研究課題/領域番号 |
18K09192
|
研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
影山 進 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (50378452)
|
研究分担者 |
河内 明宏 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90240952)
吉貴 達寛 滋賀医科大学, 医学部, 客員教授 (80230704) [辞退]
茶野 徳宏 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (40346028)
吉田 哲也 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (60510310)
富田 圭司 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (30640148)
村井 亮介 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (80748583)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | γ-グルタミルシクロトランスフェラーゼ / 尿路上皮癌 |
研究実績の概要 |
前年度において(1)膀胱癌手術標本における免疫組織化学的検討と(2)尿路上皮癌細胞株における増殖抑制活性の確認と既存抗がん剤との相加相乗効果を検討した。しかしながら、依然としてGGCT抑制による抗癌効果の機序は十分には解明されていない。よって、今年度においてはこれまでにGGCT高発現モデル細胞として扱ってきたMCF7とPC3細胞を試料とした基礎実験に立ち戻った。 (3)GGCTノックダウン細胞の代謝物測定: PC3を試料とした。解糖系などの中心エネルギー代謝およびある種のアミノ酸において顕著な変動を認めた。アミノ酸では特にCysの著しい枯渇を認めた。この結果は、以前に行ったMCF7での測定と全く一致した。また、グルタチオン(GSH)の経度低下も認めた。 (4)GGCTノックダウン細胞におけるROS評価: MCF7・PC3細胞のいずれにおいてもROSの増大を認めた。 GSH産生に関わる酵素であるGGCTの機能低下は、癌細胞の抗ストレス能、特に酸化ストレスに対する耐性が損なわれているものと考えられる。解糖系などのエネルギー代謝に関する検討は次年度以降の課題である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
担癌動物実験への準備が進んでいないため。
|
今後の研究の推進方策 |
ヒト癌細胞株の転移モデルマウスの樹立を目指し、それらに対するpro-GAによるGGCT標的治療実験を行う。また、in vitro実験においてGGCT阻害による抗癌メカニズムの解明を引き続き行う。非タンパク性チオールとしてのCysはグルタチオン内にストックされており、遊離Cysはきわめて低濃度である。GGCT阻害によるCys低下が引き起こす細胞内変化を追究する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
高額試薬(GGCT阻害剤pro-GAおよびGGCT抗体)に関して,以前よりわれわれが所蔵していた分量で賄うことができ,新規購入が不要であったため.
|