研究課題/領域番号 |
18K09195
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
祖父江 理 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (80452671)
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研究分担者 |
小口 英世 東邦大学, 医学部, 講師 (00573297)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 腎移植後再発腎炎 |
研究実績の概要 |
新規バイオマーカー糖鎖異常IgA1による腎移植後IgA沈着症・腎症の非侵襲的診断・病態解明・予後予測・治療効果判定を目的に多施設共同研究を実施した。移植後1年目以降に移植腎生検を施行される腎移植後レシピエントを多施設共同研究にて集積した。パイロット研究では血清糖鎖異常IgA1、抗糖鎖異常IgA1-IgG、糖鎖異常IgA1-IgG免疫複合体の3項目ともにIgA沈着群、沈着なし群の群間で有意差は認めなかった。 189例の血液と尿が紐づけされた移植腎病理レジストリを構築した。糖鎖異常IgA1解析によるIgA沈着症進展リスク予測を目的として解析を行った。 移植腎生検にてIgA沈着が確認された46例と背景因子をマッチさせた60例を比較した。IgA沈着群は糸球体KM55陰性群(n=32)とKM55陽性群(n=14)に分類し比較した。IgA沈着群は組織学的には軽微な変化であった。移植後経過月数は中央値17か月。KM55陰性/陽性群間で蛋白尿・血尿陽性率、eGFR値に有意差はなかった。C3陽性率はKM55陰性群で31%、KM55陽性群で57%と陽性群にて高率であった。血清糖鎖異常IgA1と尿中糖鎖異常IgA1はKM55陽性かつC3陽性群では片方のみ陽性、両者とも陰性群と比較して有意に高値であった。また、再生検にてIgA沈着が残存している症例では消失例と比較して血清糖鎖異常IgA1は高値であった。 これ等の結果から、KM55・C3染色と血清・尿中糖鎖異常IgA1によって腎移植後無症候性IgA沈着症の予後を予測しうる可能性が示唆された。現在研究成果を論文投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
論文の投稿・採択が未である
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今後の研究の推進方策 |
速やかに論文投稿を行い、2022年度中の研究成果公表を目指す
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染による生体腎移植数の減少・検体輸送の遅れから研究実施計画が遅れていた。2022年度には終了見込みである。
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