研究課題/領域番号 |
18K09197
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
相良 祐次 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (80816702)
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研究分担者 |
宮田 康好 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (60380888)
松尾 朋博 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (60622024)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 膀胱癌 / セルロプラスミン |
研究実績の概要 |
初年度の研究に引き続き、以下の研究を遂行した。① 膀胱癌患者の尿中セルロプラスミン濃度測定を行うと共に、対象群としての尿路感染症患者および健常者の尿におけるセルロプラスミン測定を行った。その結果、膀胱癌患者の尿中セルロプラスミン濃度は、尿路感染症および健常者の尿よりも有意に高値であることがわかった、②初年度に膀胱癌組織のけるセルロプラスミンの発現を免疫染色法で評価し、臨床病理学的特徴と有意に関連する可能性を指摘していたが、さらに検討患者数を増やして解析を行ったところ、悪性度、stage、予後と有意に関するすることが確認された。統計学的にも十分な検討数に達したと判断し、臨床組織検体における結果をfixした、③ BBNを用いた化学発癌マウスモデルの組織は予定通り採取、保存できており、その一部を用いてマウス組織におけるセルロプラスミンの発現評価についての予備実験を行っている、④ 膀胱癌細胞の培養上清におけるセルロプラスミンの濃度測定の手技は安定的に行えるようになった。ただし、シスプラチンやゲムシタビンを投与した際の培養に関して、安定的な増殖やアポトーシスの発現の点で改良を必要とする状況にある、⑤ 今回の研究とは別の課題ではあるが、膀胱癌細胞株にマイトマイシンC、ファルモルビシンを作用させ、その増殖やアポトーシス、さらには、浸潤能を検討しており、そこで、膀胱癌細胞株に対する抗癌剤の投与について有益治験が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記のように、細胞培養に関する研究について、当初の研究計画より遅れを生じている状況である。しかし、それ以外の動物モデル、膀胱癌患者組織を用いた解析は予定以上の進捗を得られいる。特に、膀胱癌患者に関するセルロプラスミンの病理学的意義や予後予測因子としての有用性については、議論に十分な結果が得られている。以上より、総合的におおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
動物モデルに関しては、ヒトの膀胱癌組織における手技を修正することで対応可能と考えており、事実、ほぼ確立しつつある。細胞株を用いた研究については、さらに抗がん剤の濃度や作用時間に調整が必要であるが、他の研究課題から有益な情報も得られており、それを流用、修正することで円滑な遂行が可能になると思われる。
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