研究分担者 |
安井 孝周 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40326153)
林 祐太郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40238134)
水野 健太郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (70448710)
神沢 英幸 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (00551277)
守時 良演 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (50595395)
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研究実績の概要 |
Kdm5a強制発現ベクターを作成し、マウス精原細胞培養株であるGC-1細胞にKdm5aを遺伝子導入した。そして、Kdm5aに制御される遺伝子の網羅的な探索のため、Kdm5aを遺伝子導入したGC-1細胞を用いたマイクロアレイ解析を行った。またKdm5aと関連するパスウェイについて、マイクロアレイデータからIPAソフトウェアを用いて解析した。さらにヒト停留精巣と下降精巣の精巣組織を用いて、定量RT-PCRによるKDM5Aおよび精細胞分化の関連遺伝子(ESR1, ESR2, GDNF, GFRA1, KIT, KLF4, MYC, NANOG, PGR, POU5F1, RET, THY1)の発現について検討し、KDM5Aの発現局在と、ヒストンH3K4のメチル化状態について二重免疫染色で検討した。 マイクロアレイ解析では、Kdm5a強発現により、Tet1 (Fold change; FC =19.4)、Btc (FC=19.4)、Scml2 (FC=16.4)が発現亢進し、Wnt1 (FC=108.2)、Sox6 (FC=26.7)、Sox8 (FC=26.4)遺伝子の発現低下を認めた。パスウェイ解析では、protein kinase A signalingが亢進し、Ga12/13 signaling、Signaling by Rho Family GTPase、Calcium Signaling、Rac Signaling、PKA Singaling、ILK Singnalingが抑制されていた。ヒト停留精巣では、KDM5Aの発現(1.54倍)が亢進し、また精細胞分化の関連遺伝子であるESR2の発現(1.50倍)も亢進していた(p<0.05)。蛍光免疫染色では、ヒト停留精巣組織において、KDM5Aが発現亢進している細胞ではH3K4me2(ジメチル)およびH3K4me3(トリメチル)の発現が低下し、H3K4me1(モノメチル)の発現が亢進していた。
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