研究課題/領域番号 |
18K09202
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
西尾 英紀 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (10621063)
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研究分担者 |
安井 孝周 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40326153)
林 祐太郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40238134)
水野 健太郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (70448710)
神沢 英幸 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (00551277)
守時 良演 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (50595395)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 停留精巣 |
研究実績の概要 |
Kdm5a強制発現ベクターを作成し、マウス精原細胞培養株であるGC-1細胞にKdm5aを遺伝子導入し、Kdm5aに制御される遺伝子の網羅的な探索のため、Kdm5aを遺伝子導入したGC-1細胞を用いたマイクロアレイ解析を行った。しかし、ヒト停留精巣における遺伝子発現と造精機能障害・悪性化との関連については明らかではない。そこで、ヒト精巣組織を用いたマイクロアレイ解析、およびIngenuity Pathway Analysis(IPA)で検討した。片側停留精巣、対側遊走精巣に対して両側精巣固定術を施行した際に、精巣生検を施行した2症例の精巣組織を用いた。術中の精巣生検組織を用いて、解析チップ(SurePrint G3 Human Gene Expression 8x60K v2 Microarray Kit)、解析ソフト(GeneSpring GX<version 13.0.0)によるマイクロアレイ解析で、停留精巣組織で発現差を認める遺伝子を探索した。さらに、IPAソフトウエアを用いてパスウェイ解析を行った。停留精巣でADAMTS1、C8orf4、CCL2の発現亢進を、DMRT3、CKMT1A、CCDC178、HPSE、DNAH6の発現低下を認めた(Fold change > 3.5)。パスウェイ解析では、Cell Cycle: G2/M DNA Damage Checkpoint Regulationの亢進、Mitotic Roles of Polo-Like Kinase、ATM Signalingの抑制を認めた。ADAMTS1、DMRT3は造精機能障害に関与すると報告されていることから、停留精巣における造精機能障害に関わる可能性が示唆された。しかし、悪性化に関連する遺伝子については探索できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
In vitroにおけるKdm5aの機能解析で、精子幹細胞の初代培養を確立することが困難であるため、精原細胞の培養株であるGC-1細胞を使用している。また次世代シーケンサーの手技の習得に時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
次世代シーケンサーの手技の習得を行った上で、In vivoにおけるKdm5aの機能解析を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
In vivoにおけるKdm5aの機能解析のために、ラット正常精巣をコントロールとして、ラット停留精巣における、a)Tet1、b)Scml2 の局在を免疫染色で、発現量を定量RT-PCRで経時的に評価する計画であった。計画自体は順調な滑り出しであったがCOVID-19による通常の医療業務が大幅に変更となり、予定していた研究を進めることができなかった。このため次年度使用が生じた、次にヒト停留精巣組織におけるエピゲノム変化の評価を行っていきたい。
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