神経伝達物質であるセロトニン(5-HT)とGABAは、精子受精能獲得の惹起に関与するが、その調節機構は明らかではない。そのため、本研究では受精能獲得を惹起する調節機構について検討した。ハムスターでは、5-HTは5-HT2受容体を介したCaシグナルもしくは5-HT4受容体を介したcAMPシグナルによって受精能獲得は惹起された。マウスでは5-HTは5-HT2、5-HT3、5-HT4、5-HT7受容体を介して受精能獲得を惹起し、さらに体外受精の受精率も上げた。ラットでは5-HT4受容体を介して5-HTは受精能獲得を惹起した。GABAはマウス精子の受精能獲得を惹起したが、受精率には影響しなかった。
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