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2018 年度 実施状況報告書

miR195-5pを用いた膀胱癌に対する革新的膀胱内注入療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K09210
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

佐々木 秀郎  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (30386990)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード膀胱癌 / microRNA / miR-195-5p / 腫瘍マーカー
研究実績の概要

研究代表者らが発見した膀胱癌患者の尿中で発現が低下しているmiR195-5pの尿中腫瘍マーカーとしての有用性の検証と機能解析を目的として以下の研究を行った。
本年度は、まず症例数を増やし正常群:54例、腫瘍群:68例について尿中miR195-5pの発現量を解析した。その結果、少数例の予備検討において腫瘍群で低下していたmiR195-5pの尿中発現量は正常群と同等であった。このうち32例の患者の術前/術後における尿中miR195-5pの発現量(平均±SD)は-3.19±1.41/-2.06±1.48であり、術後で有意(p<0.0001)に高くなることから、腫瘍の有無と尿中発現量が関連していることが証明された。本年度は尿全体を用いた検討を行ったが、次年度は尿中miR195-5pの不安定性を克服するために、尿中のエクソソーム分画に着目し同様の検討を行う予定である。
さらに本年度は、膀胱癌細胞株におけるmiR195-5pの発現を検討し、正常の尿路上皮細胞株であるSVHUCに比較し、膀胱癌細胞株(RT-4, T-24, UMUC-3, TCC-SUP, J82)5種類全てにおいて発現が13%~40%に低下していることが確認された。また、細胞株のみならず腎移植ドナーの尿管から採取した正常の尿路上皮細胞7例についても同様の発現解析を行ったところ、miR195-5pの発現量は、SVHUCとほぼ同程度であることが新たに明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

尿中miR195-5pの発現解析は実験間での差が大きく、また検体を希釈すると発現量が増加するなど不安定な結果が得られることが明らかになった。これは発現量がごく微量であることや尿中阻害物質などの存在が考えられた。そこで本年度は尿全体を用いた検討を行ったが、次年度以降はこの不安定性を克服するために、尿中のエクソソーム分画に着目し同様の検討を行う予定である。

今後の研究の推進方策

正常ならびに膀胱癌患者の尿中からエクソソームを抽出してmiR195-5pの発現量を検討する。また、膀胱癌細胞におけるmiRNA195-5pの機能解析(遊走・浸潤能、接着能、増殖能、細胞周期への影響、細胞死への関与)を行う。さらに合成miRNAを用いたin vitroでのmiR195-5pの発現制御法を確立し、in vivoにおけるmiR195-5pの制御による膀胱腫瘍組織への影響の検討を目指す。

次年度使用額が生じた理由

本年度は細胞株にmiR195-5pを過剰発現させるところまで進まなかったため、合成マイクロRNAの購入費用などが次年度に繰越となった。これらは次年度すぐに使用予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Circulating miRNA panels for specific and early detection in bladder cancer2019

    • 著者名/発表者名
      Usuba W, Urabe F, Yamamoto Y, Matsuzaki J, Sasaki H, Ichikawa M, Takizawa S, Aoki Y, Niida S, Kato K, Egawa S, Fujimoto H, Ochiya T
    • 雑誌名

      Cancer Science

      巻: 110 ページ: 408-419

    • DOI

      10.1111/cas.13856

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 膀胱癌細胞株におけるmiR-195-5pの発現解析2018

    • 著者名/発表者名
      佐々木秀郎、吉池美紀、関根美紀、薄場渉、相田紘一朗、工藤浩也、中澤龍斗、干川晶弘、吉岡祐亮、小坂展慶、竹下文隆、落谷孝広、力石辰也
    • 学会等名
      第106回日本泌尿器科学会総会

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公開日: 2019-12-27  

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