研究課題/領域番号 |
18K09212
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
大江 賢治 福岡大学, 薬学部, 准教授 (30419527)
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研究分担者 |
田中 智子 福岡大学, 医学部, 助教 (10380528)
遠城寺 宗近 福岡大学, 薬学部, 教授 (20253411)
蘆田 健二 久留米大学, 医学部, 講師 (40549333)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 選択的スプライシング / 環状RNA |
研究実績の概要 |
CK2阻害剤であるCX-4945は、ステロイド産生のマスターレギュレーターであるNR5A1の発現を阻害し、H295R細胞の増殖を抑制することを見つけ、本研究費を申請した。H30年度は、CX-4945による、1)H295R細胞の増殖抑制がオートファジ―とERストレス関連アポトーシスを誘導していること、2)NR5A1の発現阻害により標的のステロイド代謝酵素の発現が低下していること、3)NR5A1の発現阻害がCK2を介さないこと、3)NR5A1の発現阻害がNR5A1のmultiple exon-skippingによること、4)環状RNA(NR5A1 exon 2-4)が発現すること、を見出しています。また、5)正常副腎total RNAに発現している新しいタイプのIRE型circRNA(circIRE NR5A1 ex6-1 RNA)がH295R細胞で消失しており、ERストレスによりcircIRE NR5A1 ex7-1 RNAが発現してくることを見つけています。この新しいタイプのIRE型circRNAは、新規性および試験管内でも作製に成功した報告があり、BBRCに投稿し、受理された。6)H295R細胞の担癌マウスに関しては、CX-4945の効果を認めなかったが、MELK阻害剤がCX-4945と同様なNR5A1 exon skipping活性があることを見つけた。 以上、CX-4945はH295R細胞の担癌マウスでの効果を認めず、メカニズムを含め、論文化予定。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CX-4945のH295R細胞に対する効果をメカニズム(NR5A1のmultiple exon skipping)を含め、ほぼ解明した。残念ながら、CX-4945のH295R細胞担癌マウスへの効果を認めなかった。
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今後の研究の推進方策 |
H295R細胞担癌マウスに関して、CX-4945では効果がなかったが、同様の効果(NR5A1のmultiple exon skipping)を示すMELK阻害剤を試す予定である。
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