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2019 年度 実施状況報告書

子宮筋腫周囲筋層の血管新生因子発現と血管新生阻害効果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K09219
研究機関千葉大学

研究代表者

石川 博士  千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (70553973)

研究分担者 生水 真紀夫  千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (30226302)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード子宮筋腫 / 子宮筋 / VEGF
研究実績の概要

文書にて同意の得られた患者から子宮筋腫、子宮筋層、子宮筋腫周囲筋層を採取し、RNAを抽出後、定量的RT-PCRを施行した。血管内皮増殖因子VEGFの発現を検討した結果、過去の報告とは異なり、VEGFの発現は子宮筋腫周囲筋層で最も高く、次いで子宮筋層で高く、子宮筋腫ではVEGFの発現が子宮筋よりも低下していた。以上の結果から血管新生は子宮筋腫周囲筋層で活発に起こっていることが示唆された。これは子宮筋腫周囲筋層から多くの血流が筋腫核に供給される、という臨床的観察に矛盾しない所見であった。この実験に用いたRNAを用いてRNA-seqによる子宮筋腫周囲筋層の網羅的遺伝子解析を行う準備を進めている。
また昨年度に引き続き、子宮筋腫のマウスxenograftモデルのホルモン投与量、投与方法の検討を行った。申請者らが確立したxenograftモデルにおいて、性ホルモンの注射針を太めのものに変更し、かつ注射後の針穴を瞬間接着剤で閉じることにより、投与ホルモンの漏れを最小限にすることを試みた。この注射方法の改良により、ホルモン剤の体表への漏れがなくなり、xenograftが増大する比率が上昇した。ところが一定の割合で性ホルモンを漏れなく投与しても増大しない筋腫xenograftが存在した。この増大が見られないxenograftを構成する初代子宮筋腫細胞の増殖速度が遅いことを突き止めた。初代培養細胞を用いているため、患者あるいは検体自体の影響を受ける可能性が示唆された。今後は、マウスへの移植片を作成する時点で増殖速度の速い筋腫細胞を使用することにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

臨床検体の採取に時間を要した。RT-PCRの結果からRNA抽出の時点でRNAが分解されていたことを確認したため、RNA抽出をやり直した。また、マウスxenograftモデルでのホルモン投与方法の条件検討に時間を要した。さらに、年度の後半には、重症免疫不全マウスの供給が不安定となった。

今後の研究の推進方策

子宮筋腫、子宮筋腫周囲筋層、正常筋組織の遺伝子発現プロファイルをRNA-seqを用いて、網羅的解析を行い明らかにする。子宮筋腫周囲筋層で活性化しているシグナル伝達経路をGene ontology解析、パスウェイ解析を用いて明らかにする。さらに網羅的解析により明らかになった、個別の遺伝子発現の変化に関して、妥当性を検証する。子宮筋腫マウスxenograftモデルを用いて、子宮筋腫組織単独、子宮筋腫と子宮筋集周囲筋層組織、子宮筋組織を移植した場合の性ステロイドホルモン投与による増大効果を検討する。

次年度使用額が生じた理由

学会参加費、旅費が不要であった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Torsion of a Large Myomatous Uterus Associated with Progressive Renal Failure and Paralytic Ileus in an 86-Year-Old Woman.2019

    • 著者名/発表者名
      Wang G, Ishikawa H, Sato A, Shozu M
    • 雑誌名

      Case Rep Obstet Gynecol

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1155/2019/1601368.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 子宮筋腫の薬物療法-GnRHアンタゴニストの使用経験を含めて-2019

    • 著者名/発表者名
      石川博士
    • 学会等名
      水戸臨床婦人科懇話会
  • [学会発表] 子宮筋腫の薬物療法 -働く女性のQOL向上をめざして-2019

    • 著者名/発表者名
      石川博士
    • 学会等名
      第24回日本女性医学会ワークショップ
    • 招待講演
  • [学会発表] 産婦人科における黄体ホルモン療法 -妊娠合併症から子宮がんまで-2019

    • 著者名/発表者名
      石川博士
    • 学会等名
      第92回日本内分泌学会
  • [学会発表] Inhibition of HIF-1 blocks uterine leiomyoma growth both in vitro and in vivo.2019

    • 著者名/発表者名
      Ishikawa H, Xu L, Kobayashi T, Shozu M
    • 学会等名
      5th ,Congress of SEUD, Society of endometriosis and uterine disorders
  • [学会発表] Inhibition of HIF-1 using echinomycin inhibits cell proliferation and induces apoptosis in uterine leiomyoma.2019

    • 著者名/発表者名
      Ishikawa H, Nishiwaki T, Shozu M
    • 学会等名
      第71回日本産科婦人科学会

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公開日: 2021-01-27  

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