本研究では、progranulin(PGRN)とsecretory leukocyte protease inhibitor (SLPI)の2種類の抗炎症性蛋白の子宮頸管の熟化制御への関与を追究し、早産予防・治療に関する新たな知見の獲得を目指した。マウスモデルおよび臨床検体を用いた解析から、頸管、卵膜において、PGRNとSLPIはそれぞれ早産の原因により異なる産生動態を示した。プロゲステロンは両者の誘導因子であるのに対して、炎症の状況ではSLPIだけが発現増強した。抗炎症、抗プロテアーゼはPGRNとSLPIに共通した作用であるが、頸管熟化の制御で両者は個別的役割を担っている可能性がある。
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