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2018 年度 実施状況報告書

更年期女性の外的ストレスに対する精神的レジリエンス曲線の変化に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K09222
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

寺内 公一  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座教授 (90361708)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード更年期障害 / 更年期症状 / うつ病 / うつ症状 / 酸化ストレス
研究実績の概要

われわれは、更年期女性に関する横断的多変量解析によって、尿中酸化ストレスマーカー濃度と独立に関連する因子がうつ症状の重症度のみであることを世界で初めて見出した(Hirose, Terauchi, et al. BioPsychoSocial Medicine 10:12, 2016)。われわれはこの知見に基づき、酸化ストレスが更年期うつ症状発症に対する主要な寄与因子であるという仮説に立ち、実験動物を用いた研究を行った。閉経女性のモデルとしてICRマウスの卵巣を9週令で摘出し、2週間後に強制水泳試験によりうつ病様行動を評価するとともに、血液中の酸化ストレスマーカーにより評価した酸化ストレス状態との関連性について検討した。また、うつ病の発症に関連する血清マーカーの変動についても検討した。その結果、卵巣摘出により強制水泳試験により評価されるうつ病様行動が増加することを確認したが、一方でこれらの症状の変化と酸化ストレスマーカー・抗酸化力・うつ病血清マーカーの変化とは単純には相関していなかった。われわれは次に卵巣摘出後に3週間にわたり拘束を加え、増加する外的ストレスが卵巣摘出に伴ううつ病様行動・酸化ストレスマーカー・うつ病血清マーカーの変動に影響を与えるか否かについての検討を行った。その結果、①対照マウスでは外的ストレスの増加に伴いうつ病様行動の増加が見られるが、卵巣摘出マウスではそのような変化が消失していること、②卵巣摘出マウスでは軽度のストレス負荷により抗酸化力の指標である血清thiolの上昇が見られること、等を見出した。これらの知見より、卵巣摘出マウスでは軽度のストレスにより抗酸化力が増加し、酸化ストレスの増悪を防いでいるが、過度のストレスではこのような機構が破綻するのではないかと考えられたため、現在さらなる検討を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(1)卵巣摘出マウスに対する強制水泳試験によるうつ病様行動の評価
(2)症状の変化と酸化ストレスマーカー・抗酸化力・うつ病血清マーカーの変化との関連性の評価
(3)拘束により増加した外的ストレスが(A)卵巣摘出後のうつ病様行動の変化 と(B)酸化ストレスマーカー・抗酸化力・うつ病血清マーカーの変化 に与える影響
以上の項目についての予備的評価を終えることができた。

今後の研究の推進方策

実験の精度を高めるために、個体数を増やして実験を再現したいと考えている。また、酸化ストレスマーカー・うつ病血清マーカーに関して追加で評価したい項目があり、今後測定を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

実験の精度を高めるために、個体数を増やして実験を再現したいと考えている。また、酸化ストレスマーカー・うつ病血清マーカーに関して追加で評価したい項目があり、今後測定を行う予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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