細胞内にはミトコンドリアの品質を管理するメカニズム(MQC)が存在する。本研究では、MQCを司るタンパクの一つであるMieapが、精子や卵子の機能に及ぼす影響を解析した。加齢やMQC機能低下の影響をより強く受けるのは、卵子でなく精子であった。細胞内のミトコンドリア品質管理を司るMieapは、精子の形態や運動能を保つために必須である。MQC機能が低下した精子は、体外受精環境で胚に酸化ストレスを誘導し、胚発育を抑制する可能性が推測された。一方で、本研究では、加齢に伴う妊孕能低下と、MQCシステムの関連を見出すことはできなかった。
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