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2020 年度 実績報告書

子宮内膜脱落膜化における C/EBPbによるゲノムワイドヒストン制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K09230
研究機関山口大学

研究代表者

田村 功  山口大学, 医学部附属病院, 助教 (40610663)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードPGC-1α / C/EBPβ / 脱落膜化 / 子宮内膜間質細胞
研究実績の概要

子宮内膜間質細胞の脱落膜化では、ゲノムワイドな遺伝子発現変化とエピジェネティックな変化が起こる。我々はこれまでに、転写因子C/EBPβがこれらの変化を制御していることを見出してきた。Peroxisome proliferator-activated receptor gamma coactivator 1 alpha (PGC-1α) は、promoter や enhancer に結合することで H3K27ac 修飾を誘導する epigenetic factor であり、脱落膜化においてはその発現が C/EBPβによって制御される。よって、C/EBPβは 、PGC-1αの発現を制御することでゲノムワイドな H3K27ac を調節していると考え検討をおこなってきた。
令和元年度までに、PGC-1α遺伝子には、第 2 イントロンに存在する enhancer 領域に C/EBPβ 結合領域が存在すること、まだ脱落膜化刺激により同領域にC/EBPβが結合することを証明した。また、同部位がenhancer活性を持つことをLuciferase assay やゲノム編集法を用いて証明した。令和2年度は脱落膜化マーカーであるIGFBP-1遺伝子とPRL遺伝子発現へのPGC1aの関与を検討した。PGC1αはC/EBPβとともにこれらの遺伝子のpromoterに結合し、H3K27acレベルを調節することで発現に貢献していることがわかった。さらに、脱落膜化においてPGC-1αにより発現が制御される遺伝子をRNAシークエンスを用いてゲノムワイドに同定した。多くの遺伝子が同定され、これらの遺伝子の機能をGene ontology解析で検討したところ、免疫に関連する遺伝子が多く含まれていることがわかった。よって、脱落膜化における免疫機能調節にPGC1αが関与している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件)

  • [雑誌論文] Transcription factor C/EBPβ induces genome-wide H3K27ac and upregulates gene expression during decidualization of human endometrial stromal cells2021

    • 著者名/発表者名
      Tamura Isao、Maekawa Ryo、Jozaki Kosuke、Ohkawa Yasuyuki、Takagi Haruka、Doi-Tanaka Yumiko、Shirafuta Yuichiro、Mihara Yumiko、Taketani Toshiaki、Sato Shun、Tamura Hiroshi、Sugino Norihiro
    • 雑誌名

      Molecular and Cellular Endocrinology

      巻: 520 ページ: 111085~111085

    • DOI

      10.1016/j.mce.2020.111085

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Wilms tumor 1 regulates lipid accumulation in human endometrial stromal cells during decidualization2020

    • 著者名/発表者名
      Tamura Isao、Takagi Haruka、Doi-Tanaka Yumiko、Shirafuta Yuichiro、Mihara Yumiko、Shinagawa Masahiro、Maekawa Ryo、Taketani Toshiaki、Sato Shun、Tamura Hiroshi、Sugino Norihiro
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry

      巻: 295 ページ: 4673~4683

    • DOI

      10.1074/jbc.RA120.012841

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 転写因子Wilms tumor 1 (WT1)は子宮内膜間質細胞脱落膜化における脂質蓄積を制御する2020

    • 著者名/発表者名
      田村 功、高木遥香、田中結美子、白蓋雄一郎、三原由美子、前川 亮、竹谷俊明、佐藤 俊、田村博史、杉野法広
    • 学会等名
      第25回日本生殖内分泌学会学術集会
  • [学会発表] C/EBPb a transcription factor, genome-widely regulates gene expression through H3K27ac modifications during decidualization of human endometrial stromal cells (ESCs)2020

    • 著者名/発表者名
      Isao Tamura, Ryo Maekawa, Haruka Takagi, Natsuko Shimizu, Yumiko Tanaka-Doi, Yuichiro Shirafuta, Yumiko Mihara, Toshiaki Taketani, Hiroshi Tamura, Norihiro Sugino
    • 学会等名
      第72回日本産科婦人科学会学術講演会
  • [学会発表] Transcriptional coactivator PGC1a contributes to decidualization by forming a transcription complex with C/EBPb / p300 and inducing epigenomic changes2020

    • 著者名/発表者名
      Haruka Takagi, Isao Tamura, Natsuko Shimizu, Yumiko Tanaka, Yuichiro Shirafuta, Yumiko Mihara, Masahiro Shinagawa, Ryo Maekawa, Toshiaki Taketani, Hiroshi Tamura, Norihiro Sugino.
    • 学会等名
      第72回日本産科婦人科学会学術講演会
  • [学会発表] ヒト子宮内膜間質細胞の脱落膜化における転写因子C/EBPβを介したヒストン修飾による遺伝子発現制御機構2020

    • 著者名/発表者名
      田村 功、前川 亮、田中 結美子、高木 遥香、白蓋雄一郎、三原由実子、竹谷俊明、田村博史、杉野法広
    • 学会等名
      第93回日本内分泌学会学術総会
  • [学会発表] 転写共役因子PGC-1αはC/EBPβ、p300と転写複合体を形成しエピゲノム変化を誘導することで脱落膜化に貢献する2020

    • 著者名/発表者名
      高木遥香、田村功、清水奈都子、田中結美子、白蓋雄一郎、三原由実子、品川征大、前川亮、竹谷俊明、田村博史、杉野法広
    • 学会等名
      第93回日本内分泌学会学術総会
  • [学会発表] 転写共役因子PGC-1αはC/EBPβ、p300と転写複合体を形成しエピゲノム変化を誘導することで脱落膜化に貢献する2020

    • 著者名/発表者名
      高木遥香、田村功、藤村大志、清水奈都子、田中結美子、白蓋雄一郎、三原由実子、前川亮、竹谷俊明、田村博史、杉野法広
    • 学会等名
      第38回日本受精着床学会総会・学術講演会
  • [学会発表] 転写共役因子PGC-1aはC/EBPb、p300と転写複合体を形成しエピゲノム変化を誘導することで脱落膜化に貢献する2020

    • 著者名/発表者名
      高木遥香、田村功、藤村大志、清水奈都子、田中結美子、白蓋雄一郎、三原由実子、前川亮、竹谷俊明、田村博史、杉野法広
    • 学会等名
      第65回日本生殖医学会学術講演会
  • [学会発表] 転写共役因子PGC-1aはC/EBPb、p300と転写複合体を形成しエピゲノム変化を誘導することで脱落膜化に貢献する2020

    • 著者名/発表者名
      高木遥香、田村功、藤村大志、清水奈都子、田中結美子、白蓋雄一郎、三原由実子、前川亮、竹谷俊明、田村博史、杉野法広
    • 学会等名
      第113回 日本繁殖生物学会大会

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公開日: 2022-12-28  

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