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2020 年度 実績報告書

子宮体癌細胞の増殖、進展における脂肪細胞の役割とその制御の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K09231
研究機関佐賀大学

研究代表者

横山 正俊  佐賀大学, 医学部, 教授 (40230669)

研究分担者 青木 茂久  佐賀大学, 医学部, 准教授 (10448441)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード子宮体癌 / 脂肪組織 / 三次元培養
研究実績の概要

1)新たな3次元培養法の確立我々はプラスチック皿とコラーゲンを組み合わせた組織ディスクを作成し、接着させて培養することで、蛋白・遺伝子発現を解析可能な3次元培養系を確立した。
2)脂肪組織は子宮体癌の増殖・浸潤を促進する
3次元組織培養系を用い解析した結果、脂肪組織との混合培養条件下では、培養10日目において、対照群と比較して、子宮体癌細胞の増殖率(Ki67陽性率)が上昇した。一方、内皮細胞との混合培養条件下では有意差は認められなかった。脂肪組織片を用いた3次元組織培養では、培養10日目において、子宮体癌細胞は脂肪組織が存在するコラーゲン内に浸潤し、一部では脂肪組織片内への浸潤が認められた
3)脂肪組織は子宮体癌のp38経路を調節する
脂肪組織ないし内皮細胞との混合培養下でのMAPK pathwayを解析した。脂肪組織は子宮体癌細胞のp38のリン酸化を抑制することが明らかとなった。今回の検討では、NF-κB, ERK-1/2, p38, IRE1α, JNK ならびにPTEN, cyclin D1, CDK4に関して、各実験群間において有意差を認めなかった。
以上の結果より、本研究において我々は、新規培養方法を確立することで、脂肪細胞組織が子宮体癌の増殖、浸潤に関与することを明らかにした。この作用はp38 pathwayを介すると予想される。とくに、脂肪組織がcancer-associated adipocyteとして、子宮体癌の細胞動態を制御している可能性があることをin vitroで示すことが出来た。本研究の進展により、子宮体癌への新たな治療戦略の確立が期待され、個別化医療においても患者検体を用いることで、新規分子標的薬をはじめ、各種薬剤の有効性評価ツールとしての応用が期待できる。

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公開日: 2021-12-27  

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