子宮体癌の腫瘍学的特徴で最も重要な点はホルモン依存性であり、その増殖や発癌にエストロゲンやプロゲステロンが深く関与する。エストロゲン関連受容体(ERR)はERとよく似た構造を有するがエストロゲンのような強力なリガンドを持たないオーファン核内受容体として知られている。 われわれは、そのサブタイプの一つであるERRαに着目し研究を進めてきた。その中でその発現が低分化や浸潤例に高いことを示してきた。そこでERRαがどのように浸潤・進展に関わっているのか、そのメカニズムについて子宮内膜間質細胞との共培養法を用いて検討した。抗腫瘍効果を評価するために皮下移植マウスを用いた。ERRαのinverse agonistであるXCT790を用いて細胞増殖やアポトーシス、血管新生能、浸潤能に及ぼす影響について検証した。
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