研究課題/領域番号 |
18K09234
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
小川 憲二 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (60623494)
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研究分担者 |
吉元 千陽 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00526725)
棚瀬 康仁 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (20423915)
小林 浩 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40178330)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | CD44v9 / 子宮内膜症 |
研究実績の概要 |
当院での周術期にサンプリングされた子宮内膜症症例と、子宮内膜症から発生したと考えられる明細胞癌症例の腫瘍内容液を用いて、ELISA法で酸化マーカー(8ヒドロキシデオキシグアノシン:8-OHdG)、抗酸化マーカー(HO-1)を測定したところ、8-OHdGとHO-1いずれにおいても子宮内膜症症例において優位に高かった。この結果から子宮内膜症においては酸化ストレスに晒されているとともに、抗酸化能も高い状態にあること、一方で明細胞癌においては腫瘍内の環境が変化したためか、酸化ストレス、抗酸化能ともに低い状態にあると考えられた。 また、当院で摘出した子宮内膜症性嚢胞および、明細胞癌に含まれる子宮内膜症性病変部分のホルマリン固定パラフィン包埋切片を用いて、CD44v9、酸化・抗酸化マーカー(8OHdG、HO-1)の発現を免疫組織染色にて検討したところCD44v9陽性率は子宮内膜症症例において優位に高く、8-OHdG陽性率は明細胞癌合併症例において優位に高い結果が得られた。CD44v9の発現と、8-OHdGの発現において負の相関も認められており、抗酸化能の低下がDNA損傷を増幅させている可能性が示唆された。また、HO-1の発現においても子宮内膜症症例で優位に高い結果が得られた。この結果からも子宮内膜症において抗酸化能が高く、明細胞癌において抗酸化能は低下している事、そして抗酸化能が低下するとともにDNA損傷が増大すると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定としては、当院での周術期にサンプリングされた子宮内膜症症例、コントロール症例の保存血清を用いて、ELISA法で酸化マーカー(8ヒドロキシデオキシグアノシン:8-OHdG)、抗酸化マーカー(ヘムオキシゲナーゼ1(HO-1)、Total Antioxidant Capacity(TAC))を測定する。 また、当院で摘出した子宮内膜症性嚢胞および正所子宮内膜組織のホルマリン固定パラフィン包埋切片を用いて、CD44v9、酸化・抗酸化マーカー(8OHdG、HO-1)の発現を免疫組織染色にて検討する。 という予定であったが、コントロール症例の血清や正所子宮内膜組織の検体採取が捗っておらず、引き続き正常例の検体の蓄積は行っていくものの、現状では当院の性格上、比較的豊富に蓄積のある卵巣癌症例の血清や組織との比較を行った。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きコントロール症例の蓄積を行っていくとともに、今回の子宮内膜症症例と、子宮内膜症から発生した明細胞癌との比較についても引き続き検討を行っていく。
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