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2018 年度 実施状況報告書

超常磁性酸化鉄製剤による子宮悪性腫瘍におけるリンパ節転移診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K09241
研究機関近畿大学

研究代表者

鈴木 彩子  近畿大学, 医学部, 講師 (90378696)

研究分担者 松村 謙臣  近畿大学, 医学部, 教授 (20452336)
村上 幸祐  近畿大学, 医学部, 助教 (60734671)
佐藤 隆夫  近畿大学, 医学部附属病院, 教授 (70162443)
柏木 伸夫  近畿大学, 医学部, 講師 (30752745)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード超常磁性酸化鉄(SPIO) / SPIO造影MRI / リンパ節転移 / センチネルリンパ節 / 鉄染色
研究実績の概要

本研究では,超常磁性酸化鉄(Super Paramagnetic Iron Oxide: SPIO)を用いた子宮頸癌・体癌における新規リンパ節転移診断法の開発を目指している.
第一の目的である子宮頸部にSPIOを局所投与した造影MRI検査による,術前の新たなリンパ節転移診断法の確立についてであるが,骨盤内リンパ節郭清を予定された子宮頸癌・体癌27症例でSPIO造影MRIを行ったところ,LN転移診断は,感度40%,特異度95%,陽性的中率67%,陰性的中率86%,正診率85%であった.この正診率は,CT (67%) や PET-CT (71%)よりも高いという結果であり,SPIO造影MRIが子宮頸癌・体癌の転移リンパ節診断に有用である可能性が示唆された.
第二に,SPIOをトレーサーとして用いたradiation-freeな術中センチネルリンパ節(SLN)生検法の開発であるが,今年度は,子宮頸癌・体癌症例のSLN同定のために,多数の施設で用いられているラジオアイソトープ(RI)法同様に,SPIOをトレーサーとしてSLNが検出可能かどうかを検討した.具体的には,上記の子宮頸癌・体癌27症例中5例において,SPIOに加えてRI(Tc99m)も子宮頸部に局注し,SPECT-CTを行った.その結果,SPIO-MRIとSPECT-CTの両方で同一のSLNとして検出できたLNは92%(12/13)であり,SPIOがRIに代わるトレーサーになりうる可能性が示唆された.
また上記27例中23例において,SPIO造影MRI後に摘出されたリンパ節に鉄染色を施行し,22例(96%)において鉄染色陽性であることを確認した.これは,術前にSPIO造影MRIでSLNと判断したリンパ節が,鉄染色を用いた永久標本で,間違いなくSLNであることを後方視的に診断できる方法になりうる結果であると考えられた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

SPIO-MRIを用いた所属リンパ節転移診断の有用性が確認できた.
SPIO造影MRIが,従来,SLN生検に用いられているRI法と遜色ない確率で,SLNが同定できることが確認できた.また鉄染色を用いれば,術後にも間違いなくSLNであることを確認できる方法になりうることが確認できた.

今後の研究の推進方策

第一に,SPIOをトレーサーとする磁気検出器の開発に取り組む予定である.これまでに,東京大学のグループが開発中である磁器検出器を用いて,術前に投与したSPIOが検出可能か検証し,SPIOの投与時間や投与濃度につき確認中である.さらに検討を進め,手技や方法を確立,また鏡視下手術でも使用可能な磁器検出器の開発に取り組む予定である.
また鉄染色陽性であったSLNを用いて,LNの微小転移の検出が可能か(ウルトラステージング)について,検討を進める予定である.

次年度使用額が生じた理由

国際学会に参加したが,日本国内での開催であったため,多額の旅費がかからなかった.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] SPIO method for the diagnosis of pelvic lymph node metastasis2019

    • 著者名/発表者名
      村上幸祐
    • 学会等名
      第71回日本産科婦人科学会学術講演会
  • [学会発表] SPIO METHOD FOR THE DIAGNOSIS OF PELVIC LYMPH NODE METASTASIS2018

    • 著者名/発表者名
      Kosuke Murakami
    • 学会等名
      17th Biennial Meeting of the International Gynecologic Cancer Society
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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