本研究では、母親の栄養失調がその仔(オス)の生殖機能へおよぼす影響についてマウスを用いて調査した。本結果は、妊娠中および授乳中に低タンパク食を与えられた母親から生まれた仔は、精巣の発達が悪く、コントロールと比較して明らかに精巣重量の低下を示した。しかし、精液性状や精巣組織構造に異常は確認されず、妊孕性もみられたが受精能力は著しく低下していた。精子の受精能の変化は、母体の栄養ストレスが、精子生理学、特に受精能獲得に影響を与え、仔の生殖機能に次世代まで続く長期的な影響を与える可能性があることが示された
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