研究課題
【目的】本研究では、卵巣漿液性癌において、相同組換修復欠損を呈するHR (Homologous Recombination)-deficient群と、伴わないHR-proficient群に分類し、ゲノム・エピゲノム解析を通して、予後や免疫チェックポイント阻害剤の抗腫瘍効果の予測因子を明らかにすることを研究目的とした。【方法】80例の卵巣漿液性癌で全エクソンシークエンス解析、RNA-Sequence、メチル化アレイを行い、HRDに関わる遺伝子変異、メチル化異常の有無で、HR-deficient群とHR-proficient群に分類した。遺伝子変異頻度、ネオアンチゲン量、HLA-class1発現、局所免疫関連シグネチャーを解析し、比較検討した。【成績】ネオアンチゲンの数はHR-deficient群でHR-proficient群より優位に多かったが、HR-proficient群の中で40%は、全体の中央値よりも高いネオアンチゲン数を示していた。HR-proficient群において、ネオアンチゲン数が多く、かつHLA-class I 発現高値群が最も予後良好であった。HR-proficientにおけるネオアンチゲン数とHLA-class I 発現量が多い群では、CD8 T 細胞、TH1 T 細胞, インターフェロンガンマ応答など、免疫関連の発現シグネチャーが強く、予後もHR-deficientにおける同群よりもむしろ良好であった。【結論】卵巣漿液性癌において、HR-proficientは一般に予後不良であるが、その中で、免疫関連シグネチャーが高い群が存在し、化学療法感受性が高く、予後も良好な傾向があり、免疫チェックポイント阻害剤に感受性を示す可能性が考えられる。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 2件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 2件、 招待講演 11件)
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