研究課題
切迫早産に対する黄体ホルモン(17OHP-C)が、無菌性の子宮内炎症に効果のあることを報告後(Am J Reprod Immunol. 2018)、現在、この17OHP-Cを自然早産ハイリスク症例に用いている。特に、子宮頸がんに対して、広範子宮頸部摘出術後に双胎妊娠となった症例に対し、集学的早産予防管理(上行性感染対策、安静入院、長期子宮収縮抑制剤の点滴投与、17OHP-C、出血に対するガーゼ圧迫止血)により、1,806g、1,705gの生児を得ることができ、報告した(Clin Case Rep. 2019)。また、妊娠中の子宮頸管ポリープは自然早産のリスクとされているが、切除すべきか否かの見解は定まったものがない。当科で行った切除症例につきまとめたところ、ポリープのサイズが大きいこと(12mm以上)、出血を伴っていること、10週以下で切除することが、流早産の有意なリスク因子になることが判明した(BMC Pregnancy and Childbirth 2020)。
1: 当初の計画以上に進展している
無菌性子宮内炎症を伴う切迫早産に対する黄体ホルモン(17OHP-C)が妊娠期間の延長効果があることを報告し(Am J Reprod Immunol. 2018)、この結果、本誌のjournal coverとして認められた。この結果を理由とし、集学的治療のひとつとしたところ、広範子宮頸部摘出術後の双胎妊娠の予後は比較的良好という結果を得た(Clin Case Rep. 2019)。また、新しい自然早産リスク因子につき、報告を追加した(BMC Pregnancy and Childbirth 2020)。
17OHP-Cの無菌性子宮内炎症を伴う切迫早産に対する効果につき、他施設共同研究が最終的に組めることを目標とする。そのための実績を症例報告、自然早産リスク因子の検討、早産マーカー、子宮内炎症を惹起する原因等、さまざまな方面で結果を出し、目標につなげる。
研究に大きな支障をきたした結果ではなく、次年度繰り越しとしては問題のない差額と考えます。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)
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