研究課題/領域番号 |
18K09257
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
森重 健一郎 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90283788)
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研究分担者 |
竹中 基記 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (20566484)
上田 陽子 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (20795075)
鈴木 紀子 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教 (40642096)
森 美奈子 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (60585610)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 卵巣癌 / 二価鉄 / フェントン反応 / フェロトーシス |
研究実績の概要 |
平成30年に引き続いてフェロトーシス誘導剤であり、マラリア治療薬として使用されているアルテスネートについて実験を行った。アルテスネートは卵巣がんの種類によってその増殖抑制効果に差がある。 基本的なフェロトーシス誘導剤であるエラスチンの作用機序は、シスチントランスポーターの機能を抑制して、細胞内へのシスチン取り込みを抑制して、細胞内のグルタチオンの減少、ひいては二価鉄からフェントン反応で産生される細胞内活性酸素量の増加を促し、結果として脂質酸化・細胞死を誘導するメカニズムである。 一方、アルテスネートは、二価鉄の増加を介してフェントン反応による活性酸素産生の増加を介して細胞死を誘導するのはエラスチンと同じだが、どのように細胞内の二価鉄(自由鉄)濃度を上昇するのかは明らかではない。 そこで我々はフェリチン特異的なオートファジー(フェリチノファジー)に着目して、アルテスネートがフェリチノファジーを促進してフェリチンと結合した鉄を遊離して細胞内二価鉄が増加して、フェントン反応により細胞内活性酸素量が増加することを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
アルテスネートのフェリチノファジーに与える効果について、特異的オートファジーリセプターNCOA4のノックダウン、フェリチンの遺伝子導入などの実験を追加して、その特異性について検証する。 また卵巣癌モデルマウスを用いてアルテスネートの効果を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
卵巣癌モデルマウスを用いた実験は、アルテスネート投与群、シスプラチン投与群、アルテスネート+シスプラチン併用群、コントロール群を用いて増殖抑制効果について検討する。ヌードマウス購入が必要。また動物実験のため、多量のアルテスネートの購入が必要である。
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