研究課題/領域番号 |
18K09260
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
谷口 文紀 鳥取大学, 医学部, 准教授 (40322218)
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研究分担者 |
原田 省 鳥取大学, 医学部, 教授 (40218649)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 動物モデル / 子宮内膜症 / 炎症性サイトカイン / 生物発光マウス |
研究実績の概要 |
子宮内膜症の主要な発生仮説として、逆流した月経血中の子宮内膜組織が腹膜に接着・浸潤するという「子宮内膜移植説」が広く受け入られているが、その機序は明らかでない。「子宮内膜移植説」に基づいて開発したライブイメージング可能な発光・子宮内膜症モデルマウスを用いて、経時的な病変の発症・進展機序と分子発現の解析を行う。初期病変の観察や経時的な解析は動物モデルを用いても稀有である。子宮内膜症組織の腹膜への接着部位では、炎症性サイトカイン、接着因子、性ホルモンの関与が示唆されているが、詳細は不明である。特に、骨盤内炎症は疼痛や妊孕能低下の原因となることから、その作用の解明が本症における重要課題として残っている。局所炎症の解析を切り口にして、病態発生メカニズムと標的分子の探索により、新規治療薬開発の基盤となる成績を得ることを目標とする。前核期の受精卵にマイクロインジェクションで遺伝子導入したのちに偽妊娠マウスに胚移植・出産させることにより、独自に開発したトランスジェニックマウスの作製に成功した。CAGプロモータとエメラルド・ルシフェラーゼ遺伝子の導入により、子宮内膜組織が発光する生物発光マウスを得た。子宮内膜症組織の母地となる移植子宮内膜組織の経時的動態解析を行う。初期段階からの発光組織数・発光量・接着位置を体外から経時的に観察し、病態概念に迫る結果を得た。結果の一部は、学会発表した。さらに、マウス初期病変や腹膜組織を用いて、実験を行い予備実験データを得ている
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
子宮内膜組織で発現の高い Ccl-2遺伝子に着目し、Ccl-2プロモータとエメラルド・ルシフェラーゼ(Eluc)遺伝子の導入により、子宮内膜組織が発光する生物発光マウスを作成した。しかしながら、本マウスは継代が難しいことから、十分なデータの蓄積が困難であり、断念した。そこで、新規にCAGプロモータ-Elucトランスジェニックマウスの作成を行った。本マウスは、In vivoイメージングシステム(IVIS)を用いて、経時的かつ非侵襲的に子宮内膜症病変を観察することが可能であり、研究遂行に問題はないが、当初の計画よりもやや遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
本マウスの初期病変を用いて遺伝子解析を行っているが、動物数を増やして確実なデータとする。マウスに抗炎症作用を有する薬剤を投与し、その効果を検討する。また、生物発光マウスとは別に、同系マウス子宮組織の腹腔内移植による子宮内膜症モデルマウスを用いた実験で、初期病変を有するマウス腹膜組織における網羅的遺伝子解析により興味深いデータを得ている。これらを並行して実験を進め、病変組織の伸展に関わるキーファクターを探索する。
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