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2018 年度 実施状況報告書

生殖機能を司る中枢性ネットワーク機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K09261
研究機関島根大学

研究代表者

折出 亜希  島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (00423278)

研究分担者 金崎 春彦  島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (10325053)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードGnRH / 視床下部 / キスペプチン
研究実績の概要

視床下部キスペプチンニューロンは視床下部ー下垂体ー性腺軸の最上位に位置し、GnRH分泌を制御しているとされる。しかしながら、GnRH産生ニューロン株GT1-7細胞においてキスペプチンはERK及びcAMP/PKA経路を活性化させるが、GnRH発現を変化させない。これはGT1-7細胞が腫瘍細胞由来の不死化細胞であるためではないかと考えられる。そこでラット胎児脳神経細胞の初代培養を行い、キスペプチンによるGnRH発現について検討した。妊娠16-18日ラットの子宮より胎仔を取り出し、胎仔脳を採取して初代培養を行った。この初代培養細胞を用い、エストラジオール、キスペプチン(KP-10)、GnRH刺激によるGnRH及びキスペプチンmRNA発現をリアルタイムPCRにて検討した。ラット胎仔脳神経初代培養細胞にGnRH及びキスペプチンが存在を免疫染色で確認した。エストラジオールを初代培養細胞に添加すると、キスペプチンmRNA発現は有意に増加した。GnRH mRNA発現はエストラジオールで変化しなかった。脳神経初代培養細胞をKP-10で刺激するとGnRH mRNA発現は増加した。GnRH発現はGnRH刺激によって増加した。一方KP-10刺激でキスペプチンmRNA発現は増加し、GnRH刺激でも増加した。今回の結果はGnRH発現はキスペプチン及びGnRH自身により制御されていること、またキスペプチン発現はGnRH及びキスペプチン自身で制御されている可能性を示している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

我々はこれまでGnRH産生モデル細胞として使用されているマウス視床下部腫瘍由来のGT1-7細胞を用いて実験を行ってきた。GT1-7細胞はキスペプチン受容体(Kiss1R)を発現しているがキスペプチン刺激によりGnRH発現は認められなかった。これはGT1-7細胞が腫瘍細胞由来の不死化細胞であるためではないかと考えられたため、ラット胎仔脳神経細胞初代培養を行い、キスペプチンによる作用を確認することができた。

今後の研究の推進方策

今後は今回使用したラット胎仔脳神経細胞初代培養および、細胞株を用いた実験から、摂食/代謝調節因子、ストレス関連因子のキスペプチンニューロン及びGnRHニューロンへの影響について検討する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Role of pituitary adenylate cyclase-activating polypeptide in modulating hypothalamic-pituitary system.2018

    • 著者名/発表者名
      Oride A, Kanasaki H, Kyo S
    • 雑誌名

      Reproductive Medicine and Biology

      巻: 17 ページ: 234-241

    • DOI

      10.1002/rmb2.12094

    • 査読あり
  • [学会発表] 下垂体ゴナドトロピン産生における視床下部キスペプチンとGnRH、PACAPの相互作用について2018

    • 著者名/発表者名
      折出亜希、金崎春彦、Tuvshintugs Tumurbaatar、原 友美、岡田裕枝、京 哲
    • 学会等名
      第70回日本産科婦人科学会学術講演会
  • [学会発表] Neurotensin及びCRHのエストラジオールによるフィードバック機構への関与について2018

    • 著者名/発表者名
      折出亜希、金崎春彦、Tuvshintugs Tumurbaatar、原 友美、岡田裕枝、京 哲
    • 学会等名
      第91回日本内分泌学会学術総会

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公開日: 2019-12-27  

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