研究課題/領域番号 |
18K09265
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
三浦 生子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (00404301)
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研究分担者 |
三浦 清徳 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (00363490)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 胎児機能 / 間葉系幹細胞 / preeclampsia / 胎盤 / 管腔形成能 |
研究実績の概要 |
妊娠高血圧腎症患者の胎盤から培養した間葉系幹細胞が有する液性因子において、その血管新生能について評価した。同意が得られた妊娠高血圧腎症(PE群 n=5)および正常妊婦(CTL群 n=8)の胎盤からそれぞれMSCを初代培養した。それぞれから培養上清(conditioned medium; CM)を回収した。マトリゲル上に播種したヒト臍帯静脈内皮細胞を、PE-CM、CTL-CM、完全培地(PC)および低血清培地(NC)それぞれの培地を用いて培養した。16時間後に光学顕微鏡で観察し、管腔形性能を検討した。形成された管腔領域の面積および辺の長さをImage J softwareを用いて測定した。結果はNCとの比で示し、P<0.05を有意と判断した。PE-CM、CTL-CMおよびPCにおける管腔領域の面積比は、それぞれ67.6、31.0および92.1であった。PE-CM、CTL-CMおよびPCにおける管腔の辺の長さの比は、それぞれ10.2、8.3および9.7であった。CTL-CM群と比較してPE-CM群の方が管腔領域の面積は有意に広く、形成された管腔の辺の長さも有意に長かった(Mann-Whitney U test, p<0.05)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究に用いる試薬等の運送ならびに搬入が遅れており、実験が計画通りに実施できないため。
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今後の研究の推進方策 |
胎盤由来MSCの培養上清中には血管新生促進因子が含まれており、特に妊娠高血圧腎症由来のMSCの方が、正常妊婦のMSCと比較してより高い血管新性能を有していた。今後は培養上清中に含まれる血管新生促進因子を測定し比較検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
羊膜や胎盤組織から間葉系幹細胞を同定し培養する条件設定に時間を要したため、研究計画に遅延を来し次年度使用額が生じました。今後、研究に用いる試薬等が通常通りに入手できるようになれば、計画に従って研究を実施し研究助成金も計画通りに使用されます。
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