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2020 年度 実施状況報告書

胎児機能における羊水由来間葉系幹細胞・エクソソームの役割と臨床的意義に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K09265
研究機関長崎大学

研究代表者

三浦 生子  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (00404301)

研究分担者 三浦 清徳  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (00363490)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード産科婦人科 / エクソソーム / 間葉系幹細胞 / 胎児 / 羊水 / 羊膜 / 絨毛
研究実績の概要

本研究では、胎児由来間葉系幹細胞(MSC)に着目し、本年度は、胎児由来MSCにおける胎児成熟と関連したmRNA/microRNAプロファイルを同定し、2)培養条件や妊娠背景(産科疾患の有無など)による影響について検討した。
胎児由来MSCとして、ワルトンジェリー、羊膜、羊水および絨毛組織からexplant法を用いてMSCを単離培養した。DNA多型解析で胎児由来MSCの遺伝子型は臍帯血の遺伝子型と一致した。母体由来MSCとして、脱落膜組織からexplant法を用いてMSCを単離培養した。DNA多型解析で脱落膜由来MSCの遺伝子型は母体血の遺伝子型と一致した。フローサイトメトリー解析で胎児由来MSCおよび脱落膜由来MSCはMSCマーカー (CD73、CD90およびCD105)を有していたが、CD34およびCD45は有していなかった。以上より、私どもが単離した細胞は、確かにMSCであることが確認された。それぞれの組織由来MSCの増殖速度について、培養開始当日、3日目、5日目および7日目の細胞数を検討した。その結果、MSCの増殖速度の速さは、ワルトンジェリー、羊膜、絨毛組織、脱落膜、羊水の順であった。産科疾患として妊娠高血圧腎症に着目して、妊娠初期から中期および妊娠後期に、正常妊娠と妊娠高血圧腎症それぞれのワルトンジェリー、羊膜、絨毛組織、脱落膜および羊水を採取し、それぞれの組織からMSCを単離して集積している。ワルトンジェリー、羊膜、絨毛組織、脱落膜および羊水由来MSCからRNAを抽出して-80℃フリーザーに保管している。来年度は、それらRNAサンプルの次世代シークエンス解析で妊娠経過に伴うmicroRN/mRNAプロファイルを明らかにして胎児成熟と関連する分子マーカーを同定したい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染拡大で臨床業務が多忙であり、また研究に用いる試薬等の入手が遅延傾向にあるため、研究計画が遅延している。

今後の研究の推進方策

来年度はRNAサンプルの次世代シークエンス解析で妊娠経過に伴うmicroRN/mRNAプロファイルを明らかにして、胎児成熟と関連する分子マーカーを同定する。そして、母体血漿中からのエクソソーム単離法を確立し、母体血漿中エクソソームで胎児成熟と関連する分子マーカーを定量可能か否か検討し、本研究課題である羊水検査ならびに母体の血液検査による総合的な胎児機能評価法の確立を目指す。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染拡大のため、臨床業務が忙しく研究に取り組む時間が少なくなり、また、研究に用いる試薬等の入手が遅延傾向にあり、研究計画通りに研究が進まなかったため、次年度使用額が生じた。来年度は次世代シークエンス解析を行い胎児成熟と関連する分子マーカーを同定するので、繰越額は次世代シークエンス解析費用に使用する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Bihormonal dysregulation of insulin and glucagon contributes to glucose intolerance development at one year post-delivery in women with gestational diabetes: a prospective cohort study using an early postpartum 75-g glucose tolerance test2021

    • 著者名/発表者名
      Shigeno Riyoko、Horie Ichiro、Miwa Masaki、Ito Ayako、Haraguchi Ai、Natsuda Shoko、Akazawa Satoru、Nagata Ai、Hasegawa Yuri、Miura Shoko、Miura Kiyonori、Kawakami Atsushi、Abiru Norio
    • 雑誌名

      Endocrine Journal

      巻: 68 ページ: 919~931

    • DOI

      10.1507/endocrj.EJ20-0795

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 胎児形態異常,胎児染色体異常の既往2021

    • 著者名/発表者名
      三浦生子、三浦清徳
    • 雑誌名

      周産期医学

      巻: 51 ページ: 577~582

  • [雑誌論文] HTLV-1 targets human placental trophoblasts in seropositive pregnant women2020

    • 著者名/発表者名
      Tezuka Kenta、Fuchi Naoki、Okuma Kazu、Tsukiyama Takashi、Miura Shoko、Hasegawa Yuri、Nagata Ai、Komatsu Nahoko、Hasegawa Hiroo、Sasaki Daisuke、Sasaki Eita、Mizukami Takuo、Kuramitsu Madoka、Matsuoka Sahoko、Yanagihara Katsunori、Miura Kiyonori、Hamaguchi Isao
    • 雑誌名

      Journal of Clinical Investigation

      巻: 130 ページ: 6171~6186

    • DOI

      10.1172/JCI135525

    • 査読あり
  • [図書] Fetal Morph Functional Diagnosis. Chapter 22 Gene Disorders and Genetic Counseling2021

    • 著者名/発表者名
      Miura S and Miura K
    • 総ページ数
      354
    • 出版者
      Springer
  • [備考] 長崎大学産婦人科

    • URL

      https://www.med.nagasaki-u.ac.jp/gyneclgy/

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公開日: 2021-12-27  

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