研究課題/領域番号 |
18K09286
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
村上 浩雄 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (10432212)
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研究分担者 |
杉原 一廣 藤田医科大学, 保健学研究科, 教授 (00265878)
金山 尚裕 浜松医科大学, 医学部, 副学長 (70204550) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 子宮頸部上皮内病変 / 光線力学的療法 / レザフィリン |
研究実績の概要 |
研究目的である日帰りの子宮頸部上皮内病変(CIN2-3)に対しレザフィリンを用いた光線力学療法(以下PDT)を実現するため、動物実験による酢酸を加えた抗炎症剤の治療効果増強について実験した。またレザフィリンPDTの治療効果について報告した。 レザフィリンPDTの臨床試験を2018年度を含めて計9例まで施行しその後追跡を継続して行った。対象は平均年齢33.7歳(28-39歳)、全例挙児希望がある女性であった。追跡できた8例を対象に経過を継続し確認した。治癒と判定した8例は6か月ごと細胞診を行いながら経過観察しているが現在再発を認めていない(治癒判定から18~30か月)。途中、頸部細胞診では異型細胞(LSIL)を認めるも組織診では確認されず短期間で改善し、陰性となっている。治療効果及び追跡調査について国内ではあるが再度報告を行った。 動物実験ではSCIDマウスの皮下へHeLa細胞を移植し5~7mmになった腫瘍を対象として行った。レザフィリン0.5㎎/㎏を尾静脈より静注し、4時間後にレーザー光照射を100J/㎝2を照射した。ベタメサゾン吉草酸エステル0.1㎎/㎏塗布を光照射1時間前、照射直後、照射1日後、照射4日後に行い、その後治療効果を確認するために腫瘍径を測定した。光照射後30日の時点で体積比(治療開始前を1として計算)はレザフィリン単独投与によるPDT群では約40倍に増大していたが、ベタメサゾン吉草酸エステル塗布群では投与タイミングに関わらず8~11倍に抑制された。腫瘍組織の炎症抑制も関与が否定できないが、レザフィリンPDTにおいて治療前後にベタメサゾン吉草酸エステルを塗布することで治療効果増強を期待できると考えられた。ベタメサゾン吉草酸エステルによりレザフィリン投与量の減量も可能である可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
臨床研究としてはコロナウイルス蔓延のため症例を集積できなかったことが挙げられる。また動物実験は抗炎症剤の組み合わせなどまだ行えていないため、延長して研究を進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
動物実験において酢酸を加えてウリナスタチン、インドメタシン、ベタメサゾンを併用し治療効果を確認していく。投与量についても減量できるか否か確認していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
関連している病院や施設においてコロナウイルス対応施設が多く、様々な協力体制をとる必要があり対応に追われていた。動物実験を追加で行わなければならないと考え次年度へ延長をお願いした。
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