研究課題
2019年度までは①STAT1のセリンリン酸化がSTAT1を高発現する子宮体部漿液性癌(SEC)腫瘍細胞のプラチナ耐性機構について関与すること、②CK2阻害剤によりセリンリン酸化を抑えることでSECのプラチナ耐性を解除できることを英文論文報告した(Int J Cancer)。同所性のSEC免疫正常マウスモデルを確立し、子宮腫瘍の形成および局所免疫状態の評価を達成した。その成果については、第77回日本癌学会学術総会にて英語口演に採択され、報告した。さらに、SECと似た病理形態、臨床経過を辿る卵巣漿液性癌の子宮同様、治療抵抗性を示す卵巣漿液性癌において抗VEGF抗体治療を通してMDSCが抗腫瘍免疫抑制状態を惹起する機構とその打開策についても論文報告を行い(Br J Cancer)、SECの抗腫瘍免疫寛容を解除する糸口を見出した。2020年度は宿主-腫瘍相互シグナル伝達機構についてmiRNAを介した卵巣漿液性癌の解析を行うとともに、子宮体癌の発生母地としての子宮内環境の検証を行い、論文報告を行った(Oncol Lett; Obstet Gynecol Int J)。プラチナ製剤耐性腫瘍の病態については腫瘍休眠の観点から治療標的とする可能性について探索を進めてきた成果を論文報告した(Mol Cancer Ther.)。腫瘍局所の免疫寛容を打破する治療法開発については抗PD-L1製剤の有効性を助長する可能性を有した腫瘍溶解ウイルス療法を子宮頸癌マウスモデルにて行い、論文報告した(Int J Clin Oncol.)。2021年度は前年度までに確立した2つのマウス腫瘍モデルのRNAseq解析からSECではサイトカイン分泌により腫瘍内にMDSCを遊走させ、免疫寛容状態を惹起することを実験系上で示し、その成果を論文報告した(Carcinogenesis)。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件)
Carcinogenesis
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